総務省は早ければ来週にもソフトバンクに対し、格安スマートフォン（スマホ）事業を手がける日本通信との回線接続について協議再開を命じる。総務省の電気通信紛争処理委員会が27日、日本通信がソフトバンクとの回線接続を拒否されたと申し立てた件について協議再開が妥当とする答申をまとめたためだ。接続が実現すればソフトバンクの利用者が格安スマホに乗り換えやすくなる可能性がある。

　日本通信などの格安スマホ会社は大手携帯電話会社の通信回線と接続して、サービスを提供している。日本通信はソフトバンクから回線の接続を断られ、ソフトバンクでしか使えない「ＳＩＭロック」がかかった端末では日本通信のサービスを使えない状況にあるとして、総務省に申し立てていた。

　電気通信事業法では、携帯電話会社が格安スマホ会社からの接続の要請に応じることを義務付けている。総務省は2008年にもＮＴＴドコモに対して日本通信との回線接続を命じた。ＮＴＴドコモは既に日本通信と回線をつないでおり、ドコモのＳＩＭロックがかかった端末でもそのまま日本通信のサービスを使うことができる。ソフトバンクでも格安スマホ会社と接続すれば、格安スマホの普及が一段と進みそうだ。