家庭の風呂で溺れて死亡した人が2004~15年の約12年間で約4万8400人に上ることが、消費者庁の集計で27日までに分かった。65歳以上が全体の約9割を占めた。同庁は家庭での溺死事故は冬場に多く、温度の急激な変化などで失神したり、意識障害を起こしたりする恐れがあるとして「入浴前に浴室や脱衣所を暖めておくのが防止に有効」と促した。
厚生労働省の人口動態統計を基に、04年以降に家庭の浴槽で溺死した人数を集計。04年は2870人だったが、12年は5097人に上った。その後はやや減少傾向とはいえ、15年は4804人で04年の約1.7倍増となっている。
消費者庁は「高齢者の人口増に伴い、入浴中の事故死も増えている」と分析。のぼせたり、熱中症になったりしないように湯温は41度以下とし、10分以内を目安に風呂から上がるよう求めた。浴槽から急に立ち上がることを避け、食後や飲酒後の入浴も控えるよう注意を呼び掛けた。
東京都監察医務院の統計では、東京23区で14年までの10年間に起きた入浴中の事故死の月別平均数は、12~2月が全体の約半数を占めた。〔共同〕