ニュース
ニュース・解説
重度障害女性、効率優先価値観に疑問…小池知事への手紙「涙なしに読めない」と反響
人間の価値に優劣をつけず、どんな人でも共に
衰えた筋肉で一文字ひと文字を刻むように、重度障害者の存在意義をつづった。その内容をフェイスブックで公開したところ、「勇気をもらった」「涙なしには読めない」といったコメントが続々と書き込まれている。
海老原さんは、進行性の難病「脊髄性筋萎縮症」を患いながら、NPO法人「自立生活センター東大和」理事長として、障害者の自立と生活を支えている。人工呼吸器を使う重度障害者が、社会の中で生活していく姿などを紹介する映画「風は生きよという」にも出演した。
海老原さんは、女性の活躍推進に取り組む個人・団体が対象となる今年度の「都女性活躍推進大賞」で大賞を受賞。今月18日の賞の贈呈式で小池知事に会えると知り、レター用紙5枚にわたる手紙を書いた。電子機器を使って下書きしたが、自筆にこだわり、筋肉が衰えた手で、一行書いては休憩しながら3時間以上かけて書き上げたという。
手紙では、効率優先の社会の価値観が、障害者たちを地域の隅に追いやっていると指摘。「ただの木でしかない」縄文杉を見て感動したり、「盛り上がった土の塊にすぎない」富士山を見て
その上で、重度障害者が地域の人目につく場所にいるからこそ周囲の人に考える機会を与え、存在しなければ、価値観を広げる機会を社会が失うとして、「重度障害者は、ただ存在しているだけで活躍しているとは言えませんでしょうか?」と問いかけた。
そして最後に、「『都民ファースト』の都民に、私たち重度障害者も常に含まれておりますように」と訴えた。
◇
海老原さんは贈呈式で、小池知事に手渡すことはできなかったが、関係者に託した。その後、手紙を書いた経緯や贈呈式のことを含めてフェイスブックに掲載したところ、24日までに100件以上のコメントが寄せられ、それ以上にシェア(共有)された。
重い障害を持つ子の母親という人からは「涙が出るほどうれしく、勇気づけられる手紙でした」とする感想があった。「いい文章だから、英語にして発信したら」「このような文章を書ける人が受賞されたことは、とても意義がある」といった声も寄せられている。
海老原さんは「気持ちは手紙に込めました。五輪やパラリンピックが来るけど、『活躍している人』以外にもちゃんと目を向けてほしい。知事にも思いが届いてくれればうれしい」と話している。