前川惠司元朝日新聞記者、チャンネル桜に登場する


朝日OBとして、同様に朝日批判にご活躍で、『崩壊 朝日新聞』と言う本まで出した、齢八十を超えた長谷川熙元記者がいるが、この人は前川元記者以上に、「慰安婦問題」について何も知らない。西岡力氏と仲良く対談しているくらいだから、程度が分かるというものだろう。ヒマでしょうがないときに、改めてとりあげようと思うが、発売元がWACであるので、記事にしたらしたで、ヒマすぎ( ゚Д゚)とか、バカにされそうな気がする。とはいえ、激しく怒ってみせれば、自分の無知を隠せると踏んでるらしく、前川氏の本よりはWACの読者には、好評のようだ。
正直、前川氏
どういうことを前川氏が言っているかということは、別に本を読む必要もないだろう。あのironnaで読める。文中、大沼保昭氏や下村満子氏と言った、おなじみの名前が出てきて、支援団体に対する悪口を垂れ流しているのだが、アジア女性基金が失敗したのは、挺対協のせいではない。ほいほいと秦郁彦氏と同じテレビ番組に出たり、記者会見に同席したりする理事がいたからだ。あのおっさんが、被害者女性の証言に、どのようなモンクをつけているかを考えれば、すぐ分かる話である。
『「慰安婦虚報」の真実』という本が、どのように問題なのか、法華狼さんが既にまとめている。特に付け加えることもない。今回の記事は、この記事を紹介したくて、書いたようなものである。
→従軍慰安婦問題を否定するために認知がゆがみきった元朝日記者の前川惠司氏/法華狼の日記
ただ、『「慰安婦虚報」の真実』を読んで、二つほど「新発見」というか、納得した箇所があった。
一つは、彼がソウル特派員時代(1992~1994)だったころの、ソウルでの朝日新聞の立場である。当時のソウルには、黒田勝弘氏のファンを公言する毎日新聞の下川正晴氏をはじめ、挺対協を「従北団体」と決めつけるような記者がうようよいたということらしい。彼らが、「慰安婦問題」に関して、いかに冷淡であったか、なぜ無関心であったのかは、今後、逆にキチンと検証されるべき問題だと思う。
前川惠司氏が特派員として、ソウルに派遣されていたのは、1992~1994年の間である。1992年は1月に宮沢首相の訪韓での謝罪があり、「慰安婦問題」に完全に火がついた時期に、ソウルに赴任していたということで、朝日新聞の記者であることが、恥ずかしかったということを、ナガナガと前川氏は書いているが、まあそんなもんだろう。
前川恵司・産経連合軍 VS 植村隆
もう一つは、植村氏が西岡力氏その他有象無象によって、シツコクいいがかりをつけられてきた、植村氏の記事が朝日新聞に掲載される経緯についてである。
前川本によると、植村氏が記事を「売り込む」際に、彼の義母が遺族会の幹部であることを、当時のデスクに伝えなかったとして、それを知っていたら、記事を掲載することはなかったという当時のデスクの証言を得たとしている。実は、遺族会と植村氏、挺対協の関係については、前川氏、西岡力氏がらみで、もっと面白い話があるのだが、次回以降の話としたい。裁判も進行中なので、今後、本格的に問題にしていきたいからである。
この「売り込み」に関しては、産経の阿比留、原川両記者と植村氏の対談の中で触れられている。この「対談」がケッサクな結末になったことは、いろいろな人が指摘しているのだが、面白いので、前川恵司氏がらみの関連部分を全文コピペである。前川氏の難癖に乗じて、産経新聞は対談中で、植村氏を非難する材料として使おうとしたのだが、シツコク非難してきた相手から、ここまで明瞭に分かる形で、返り討ちにあった例は、チャンバラトリオのコント以外には、私はほとんど見た記憶にない。
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【元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報(5)】 2015.9.2 06:00 産経ニュース
「間接情報であまり答えられない」
阿比留「分かりました。それでじゃあ、一応これも、ハッキリさせておきたいので、(元朝日新聞ソウル特派員の)前川恵司さんが当時の植村さんの担当デスク、大阪本社担当デスクに取材した。そしたら、(1991年12月25日の記事は)植村氏からの売り込み記事だったと。『彼は義母が遺族会の幹部であることを言わなかったし、私も知らなかった』と」
植村「これに関しては、前川さんに僕、会っていないし、直接取材していないんだけれども、これ、大阪のデスクってどういう人ですか。前川さんから何か聞きましたか」
阿比留「まだ聞いていないですね」
植村「じゃあ、そんな間接的な情報であんまり答えられないんだけど、売り込みじゃないですよ」
原川「売り込みではない?」
植村「売り込みとかじゃないですよ。で、そのデスクの根拠って何か、産経新聞として前川さんのデータ以上にあるんですか。独自に」
阿比留「ないです。いや、だから確かめているわけですね。(当時の担当デスクは)義母が遺族会の幹部であることを言わなかったし、私も知らなかった、と」
植村「当時の社会部はですね、知っていたはずですよ。社会部のデスクですか、その人は」
阿比留「(前川氏の文章では)大阪本社の担当デスク」
植村「じゃあ、聞いてみてください、直接それは」
阿比留「で、(前川氏が)知っていたらと尋ねると(担当デスクから)即座に原稿は使わなかったとの答えが返ってきた、と。それもちょっと違うという感じですか」
植村「うん、もちろんね(違う)」
原川「この8月19日の(太平洋戦争犠牲者遺族会の元慰安婦女性が日本政府を相手取った訴訟を準備しているという)記事を書くために、平成3年の8月11日の(『元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口を開く』という)記事を書かれて、12日には確か1回、日本に戻られて、それでまたソウルに…」
植村「そうそう。おお、すごいなあ。僕の動き表をつくっているの? いいなあ。ちょっとコピーさせてよ。取り調べだなあ、原川記者(笑)」
原川「いやいや、時系列で見た方が分かりやすいと思いまして。それであのー、この19日の記事を書くにあたって何日かソウルに滞在されて…」
植村「いやいや、これは僕はよう分からんけど…、あの、まさか、取り調べとは思わなかったから」
原川「いやいや」
(後略)
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面白い(*^▽^*)ので、ついつい太字にしてしまった。前川恵司氏は、チャンネル桜に出演して、中山恭子大先生と対談する前に、やることが山ほどあるだろうなと言うのが今回のオチである。つうか、もうダメだなこの人。
【関連外部リンク】
[産経関連]
産経新聞「従軍慰安婦報道」のみっともない真実(1)慰安婦問題で右派からリンチ受けた元朝日・植村記者が産経の阿比留記者に反撃! 産経側の失態を次々と暴露/リテラ
産経新聞「従軍慰安婦報道」のみっともない真実(2)「韓国人慰安婦を強制連行」と書いたのは朝日でなく産経新聞だった! 植村記者に論破され阿比留記者が赤っ恥/リテラ
植村隆インタビュー詳報において、産経側の主張が自壊していくまで/法華狼の日記
自社記事を「間違ってます」連発の阿比留瑠比記者、おいおいな笑える産経記事/河野談話を守る会
今回も、法華狼さんのところ(2つ)と、河野談話を守る会のブログにリンクを張らせてもらった。一応は、相手先にコメントするなりして、リンク張ったことを連絡すべきかなと言う気持ちもあるのだが、頻度が非常に多いので、どうも宣伝に出かけるようで気がひける。Link集で紹介させてもらっているサイトに関しては、「参考リンク」に関しては、連絡を控えさせてもらっている。
というと、なんだか謙虚に響くかもしれないが、トラックバックすら、未だにやり方が分からん状態なので、単なる私の怠慢、勉強不足である。
つーことで、そんなことではイカンと言うことがあれば、遠慮なくご指摘ください。リンクした記事内容に踏み込む場合は、連絡させて頂きます。
近いうちに記事を書こうと思うので、忘れないように個人的なメモである。
植村隆氏が起こした裁判について、週刊新潮に、本文中でも書いた前川恵司氏とともに、元毎日新聞の重村智計氏が取材に応じ、コメントを寄せている。週刊新潮の記事の原文のリンクは以下である。週刊新潮は、最近の釜山の領事館前の「慰安婦像」に関連して、ゴミのような記事を書いているので、こちらにもリンクを貼っておく。どうやら、「植村隆氏が焼け太り」という、後者のヨタ記事は、植村氏の裁判支援のサイトを見て書かれたようだ。お手軽なもんである。
従軍慰安婦誤報 “名誉毀損”の裁判を起こした植村隆・元朝日記者の被害者意識 週刊新潮2016年5月5・12日ゴールデンウイーク特大号
慰安婦問題、朝日新聞の自虐社説と“バッシングに感謝”の植村隆 週刊新潮2017年1月19日号
前の方の記事に対する「植村裁判を支える市民の会」の記事が以下である。重村氏のコメントにも言及がある。
植村裁判を支える市民の会 週刊新潮の下品度 2016年5月4日水曜日
私は、重村氏の「慰安婦問題」に対するスタンスは、全然、知らなかったのだが、新旧の毎日新聞の記者、長田達治氏、下川正晴氏、澤田克己氏と言った面々の書いた文章やら行動やらを見て、似たようなもんだろうなと思っていたら、ズバリであった。取材もろくに行わずに「挺対協」を「従北団体」と決めつけてきたのは、読売や産経だけではなかったのである。
「かわいそうな隣国」韓国/重村智計 2016.08.26
この記事の中で、重村氏は、朴裕河氏と、李栄薫氏の「調査」を元に、「慰安婦問題」を解説している。去年の八月の記事なのであるが、三月に東大で行われた「帝国の慰安婦」に関するシンポジウムで、「擁護派」が、朴裕河氏のインチキ本「否定派」に、全く有効な反論ができなかったことすら、ご存知なかったということか。
いや、そんなことはないだろう。重村氏は「帝国の慰安婦」シンポジウムで、「擁護派」の主役を演じた、浅野豊美氏と同じ早稲田大学に最近まで勤務していた。早稲田大学が朴裕河氏に賞をやったことも、当然にご存知のはずなのである。要するに、実証的に日本軍の「慰安所制度」の実態が、どこまで解明されているのか、知りもしないし、関心もないのである。
重村氏は、『日韓関係悪化の罪人(つみびと)たち』と言う言い方をしている。植村氏が負うべき責任が、ジャーナリストとしての責任ではなく、『日韓関係悪化の罪人(つみびと)たち』の一員であることの責任と考え、その上で植村氏を批判しているのは明白だろう。西岡力氏や桜井よしこ氏や産経と、ほとんど同じ考えであるが、そもそも植村氏が負うべき「ジャーナリスト」としての「誤報」責任など、最初からないのだ。産経の阿比留、原川両記者との「対談」を読めば、一目瞭然ではないか。
毎日新聞の新旧の記者たちの、自分たちだけが、正しいことを知っているかのような、言動や行動には呆れるばかりである。もう、遠慮はいらんだろう。どうやら、この人たちを見限る時期が来たようである。
一応、私が書いた「毎日新聞」関係の記事にリンクを貼っておきます(発表順)。ご参考まで。
3.28 研究集会 「慰安婦問題」にどう向き合うか 集会記録集
テニアン島で米軍捕虜となった朝鮮人男性の証言(幻のリー・パクド)
テニアン島で捕虜となった朝鮮人女性の話
毎日新聞の慰安婦問題報道について(1)