町家保全へ、行政が活用提案 京都市がマッチング事業
京都市は歴史的な街並みを象徴する京町家を保全しようと、町家所有者と活用希望者をマッチングする提案公募型の事業を試行する。対象は南区内の1軒で、市が事業者らから活用法を募り、所有者が審査して賃貸借契約を結ぶ全国的に珍しい試み。市は結果を踏まえ、2017年度以降に恒久的な制度の構築を検討する。
市によると、空き家となった京町家は、店舗や住宅としてどのように使うか具体的イメージがなければ、不動産市場に出しにくいとの声が所有者側にあるという。そのため、市が活用の提案を募り、所有者が気に入ったケースがあれば契約する仕組みを考えた。
対象の京町家は南区西九条にあり東寺に近い。敷地面積約130平方メートルの木造瓦ぶき2階建て。建築時期は不明だが、60年以上前から仕出屋や住居として使われ、店舗スペースだった土間、おくどさんや井戸、奥庭のたたずまいが残る。所有者の男性が5年前に転居後は空き家になっているが「長年暮らした地域にも役に立つ活用がされれば」と提案を募るという。
公募の窓口は市が担い、活用希望者は1月18日までに参加を申し込む。現地見学会を経て、2月21日~3月6日に活用法の提案書類を送る。書類を受け取った所有者は事業内容や資金計画、地域活性化の観点から優先交渉権者を決める。その後は両者で詳細を協議し、合意ができれば賃貸借契約を交わす。合意に至らなければ契約は行わない。
市の2008~09年度の調査では京町家は約4万8千軒。観光の好調を受けて店舗や宿泊施設での活用は増えているが、約5千軒が空き家で毎年数百軒が取り壊されており、まち再生・創造推進室は「市場の仕組みだけでは動きにくい京町家の活用を後押したい」とする。
【 2017年01月17日 22時40分 】