【イスタンブール=佐野彰洋】トルコ国会(定数550)は21日、現行の議院内閣制を廃し、大統領に権限を集中させる憲法改正案を承認した。憲法の規定に従い、3月末以降の国民投票実施が確実となった。
改憲案は閣僚や高官の指名、国会の解散、予算編成など広範な権限を大統領に集中させる。首相職が廃止され、副大統領職が新設される。本来は儀礼的な立場ながら、国政の実権を握るエルドアン大統領が強く実現を求めていた。
改憲の是非を問う国民投票の実施には国会定数の5分の3にあたる330人以上の議員の賛成が必要。317議席の与党・公正発展党(AKP)単独では届かないが、右派野党の民族主義者行動党(MHP)の一部が賛成に回った。
最大野党や一部識者は権力の均衡が失われ、エルドアン氏の「個人支配」を招くとして改憲に反対している。