猫耳朶は、山西省の代表的な麺で、生地をさいのめに切り、小さくクルリと巻いてマカロニのようにしたもの。その形から「猫耳朶」(ネコの耳たぶ)と呼ばれるこの麺は、技術の必要な切麺や拉麺に比べ、子供でも楽しく作れる。スープに入れて食べてもよいが、猫耳朶の形を見せるように、卵と炒めて合わせると(木須炒麺)、見た目もきれいで美味しい。
猫耳朶の作り方
- 小麦粉に水を加えてよくこねる。冬はぬるま湯、他の季節は水がよい。表面につやが出て、きめ細かくなるまでこねる。
- 麺棒で厚さ1cmにのばす。さらに幅1cmのさいのめ切りにする。
- これを両手の親指で四角の対角線の方向にクルリと押しのばし、猫の耳のようにする。親指の腹で板に押し付けてこするとよい。
- 熱湯に入れ、火が通ったらすくいあげる。
木須炒麺の作り方
- 具はさいのめ切りにする。
- 猫耳朶を炒め、塩をふって皿にとる。
- 1の材料を軽く油で炒め、塩、胡椒、醤油で味をつける。
- 鍋に油を入れて熱し、溶き卵を流しいれ、強火でかきまわして炒り卵にする。
- 2と3を入れ、全体をさっと炒めまぜる。
参考
- 木須とは、卵を使った料理という意味。
- 具は好みで変えてもよい。ナマコをはぶけば、調理時間も短くなり、簡単レシピになる。
- 具にウインナーなどを入れ、味付けをケチャップにすると、洋風になって子供もよろこぶ。市販のパスタソースを使えば、さらに簡単レシピになり、中華の猫耳朶が、イタリアンパスタに変身する。その他、サラダやグラタン、水とんなどにも応用できる。猫耳朶は応用の仕方で、中華も和食もイタリアンも簡単に作れる。
- 猫耳朶の発祥の地は、山西省をはじめとした中国の北方地区(晋語圏)である。もともとはこれらの地域では圪坨儿の名で呼ばれていたが、近年では猫耳朶(簡体字:猫耳朵)と呼ぶようになった。浙江省杭州の浙江料理でも同じような麺が用いられる。