キャラクターの服を描く際に、シワを何となく付けたりしていませんか?
この講座では重力のはたらきによって布がどのように動くかを確認しながら、シワの描き込みや簡単な布の描き方を一緒に解説していきます。
みなさんも自分の服やハンカチなどを実際に使いながら、布の性質を確かめていきましょう。
▼目次
重力で考える布の広がり方
まず重力による布の広がり方を考えてみましょう。
上図の支点は布の縫い目やボタン、手で布をつまんだ状態などをイメージしてください。シワは支点から布の辺が放射線状に伸びていくイメージで考えると良いです。支点から外側に位置する辺を末広がりにすることで、ふんわりとした印象になるからです。視点の位置、数によって布の基本的な形状、シワの形や量などが変化することも覚えておきましょう。
シワの描き方をパターン化して覚える
ここからはあえて、シワの描き方を複数のパターンとして特徴をおさえてみましょう。
上記の四角形をベースとし、下に向かって重力が働いていると仮定します。
支点が1点のとき
中央に支点を1点設置しています。支点から放射線状に布の辺が伸びていくことがわかりますね。
気をつけたいポイントは、放射線上に伸びる線を直線ツールなどできっちり描きすぎてしまわないこと。紙のような伸縮性のない素材に見えてしまうので支点周辺からフリーハンドで線を放射状に広げていくと良いでしょう。
支点が離れた2点のとき
両端に2点の支点を設置している場合です。
ピンと張った状態ですが、支点から放射線状に細かいシワができていることがわかります。真ん中の重みで、たわんだ状態にすると布自体の重さを感じさせられるので、よりリアリティを表現する演出に繋がります。
支点が距離の近い2点のとき
支点間の距離を縮めると、布の中心にたるみが出て、重力に向かって放射線状に大きく伸びていくことがわかります。その場合、放射線がぶつかる部分で折れ曲がり、くの字状にたるんだシワが新たにできあがります。
支点が距離の近い3点のとき
3点に支点を設置し、点の間の距離を近づけた場合です。下へと向かう放射状の広がった布がぶつかり合い、下側のひだが折り返されスカートやカーテンのひだのような印象になります。
支点が複数並んでいるとき

支点を同じライン上にたくさん設置した場合です。
辺に沿って緩やかに、下に向かってたくさん放射線が伸びていることがわかります。それにより下側のひだの数も増えます。ちなみに、ギャザースカートやプリーツスカートのシワはこの原理で成り立っています。
支点がランダムな位置の3点のとき
ランダムに3点、支点を設置した場合です。
支点から伸びる放射線状のシワ、放射線同士でぶつかり、くの字になるシワが組み合わさることで、長さや広がり方の異なる複雑なシワが入ります。このように服のシワは、放射状に広がった部分が互いに作用し合うことによって成り立っています。
シンプルにシワを描く
最後に、以上を踏まえた簡単な布の描き方をご紹介します。
- はじめに自由に波線を描きます。
- 次に支点を決め、波線のカーブの頂点に向けて放射線を伸ばします。
- 出来上がった形を元に、布の厚み、細かいシワを描き込んだり、布の辺を修正しつつ仕上げます。
シワを上手に描けるようにする練習の仕方
簡単な布の描き方を繰り返すと描き方を覚えてきます。そこから様々な布の動きを描けるように、支点と波線に変化を加えると応用が効くようになっていきます。
これら布がひらめく練習は、スカートだけでなく、マントやカーテンなどの大振りな一枚布や、シャツなどの洋服や着物など、布に関するあらゆるものに使えるので、是非練習してみてくださいね。
まとめ
布の描き方は、重力による布の基本的な動きを把握していれば、シワの作画に迷うことも少なくなります。「布のシワは放射線状に伸びる」これだけでも覚えてイラスを描く際に組み込んでいくと良いでしょう。
画・著 kyachi
イラストレーター。
現在は主に書籍での執筆、挿絵を担当。専門学校講師としても活動中。
▼主な著作物
執筆
- 超描けるシリーズ ドレスの描き方
- キャラクターの色の塗り方
- 動きのあるポーズの描き方 東方project編 東方描技帖
- 動きのあるポーズの描き方シリーズ
メイキング製作
- 東方秘技帖
- 東方色技帖
(すべて玄光社刊)




