こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
あなたは昼食後、歯をみがく習慣がありますか?
22歳から34歳の働く女性を対象に、マイナビウーマンが2015年8月にWebアンケートを実施しました。
その結果は以下のとおりです。
磨く :64.5%
磨かない:35.5%
(https://woman.mynavi.jp/article/150924-31/より)
磨く方が6割以上いるんですね。
清潔感や身だしなみに対する意識の高まりにともない、口臭やエチケット、歯を磨く事によるスッキリ感を求めてというのが理由のほとんどのようなのですが
近年わかってきた歯みがきにまつわる新たな知見に照らしてみてみると、この昼休み(ランチを食べてすぐ)の歯みがきには弊害があることが知られるようになってきているんです。
今回は、そんな昼休みの歯みがきについてお話ししたいと思います。
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そもそも、どうして歯みがきをするの?
このブログでも何度かお話ししていますが、とても大切なことなので何回でも確認させていただきます。
歯みがきの目的は
虫歯や歯周病にならないために「細菌のかたまり」である歯垢(プラーク)をとりのぞくことです。
誤解をしている方も多いのですが、食後に歯と歯の間にはさまった「食べかす」をとりのぞくことではないということをまず理解していただきたいと思います。
虫歯や歯周病の原因となるのは「食後の食べかす」ではなく「歯垢(プラーク)」なんです。プラークは細菌のかたまりです。
(最近ではテレビのCMなどでも「プラークコントロール」といった言葉が宣伝されていますので、プラークという言葉自体は聞いたことがある方も多いと思うのですが、それが「食べかす」とは違い、「細菌のかたまり」なんだという認識はあまりないのではないでしょうか。)
そしてこの歯垢(プラーク)ですが、ものを食べてから歯につくられるまで約24時間の時間がかかることがわかっています。
つまり、食後すぐに歯垢(プラーク)ができるわけではないのです。
ですから、歯みがき本来の目的である「歯垢(プラーク)を取り除く」という意味においては、ランチ後の歯みがきは的を得ていないことがまずお分かりいただけると思います。
むしろ弊害が指摘されている
ほとんどの方にとってランチの時間は1時間程度ですよね。
その1時間のなかで歯を磨くとなると、必然的に食後間もない時間で歯を磨きはじめているというのが現状だと思います。
この点から見たとき、昼食後の歯みがきにはいくつかの弊害があるんです。
唾液の力を活かすことができない
唾液には「洗浄作用」「再石灰化促進」「脱灰防止」など他にもたくさんのはたらきがあります。
(唾液のはたらきについては以下の記事でくわしく説明していますので、興味のある方はぜひご覧ください。)
【関連記事:あなたの知らない唾液のはたらき 】
とっても頼りになる唾液ですが、じつは食後すぐの時間帯が質・量ともにもっとも効果的なのです。
にもかかわらず、歯みがきをすることでその唾液を歯みがき粉と一緒に外へ吐き出してしまうことになり、唾液の恩恵を受けることができなくなってしまいます。
昼休みに歯を磨く方の中で、午後になると口が渇くなあ…と感じる方はいませんか?
これは食後すぐの良質な唾液を吐き出してしまっていることによる悪影響が原因の恐れがあるんです。くわえて、唾液が減少していることで口臭も発生しやすいんですよ。。
(この時間帯の唾液の力を利用するため、海外では食後にガムを噛む習慣が根付いているんです。)
歯が削られてしまう
弊害の2つめは「歯が削られてしまう」です。
歯は、砂糖を代表とする糖質を含む飲食をしたあと、カルシウムやリン酸といったミネラルが溶け出した状態になっているのです。「溶け出した状態」をもっとわかりやすく言うと「やわらかくなっている」と言い換えることもできます。
【関連記事:虫歯だけじゃない。歯が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」についてくわしく説明します】
そんなやわらかくなっている状態の歯に対して歯磨きをすることは、歯の表面のエナメル質を削っていることに他ならず、知覚過敏の原因にもなってしまいます。
まして市販されている多くの歯みがき粉には「研磨剤」とよばれる、歯の表面を削って汚れを落とす成分が入っていますので、やわらかくなっている歯に与えるダメージは見過ごせないレベルになります。
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以上、昼休みに歯みがきをすることによる、おおきな2つの弊害を説明しました。
それでも、ランチを食べた後の歯をそのままで午後の仕事をはじめるのには抵抗があるという方も多いと思います。
ではどうしたらいいのか。
次に昼食後にするべき歯のケアについてお話ししたいと思います。
昼食後にするべき歯のケアとは
食事をすると、どうしても歯の間に「食べかす」がつまることがありますよね。
昼食後に歯を磨く方の多くはこの食べかすを気にされているのだと思いますが、食べかすを取り除くのには歯みがきよりずっとふさわしい道具があります。
デンタルフロスをつかう
フロスを使って食べかすを取り除いてください。(もちろん、フロスは付着している歯垢も取り除くことができます。)
フロスを使って歯と歯の間をきれいにすることで「唾液の通り道」をつくることができます。
これにより、歯ブラシによって歯を傷つけることなく食べかすや歯垢を取り除けるだけでなく、食後すぐの豊かな唾液の力を存分に利用することができるんです。
アメリカには「フロス or DIE(死)」という言葉もあります。
フロスをしますか? それとも死を選びますか? という意味ですね。
じっさいにフロスをしないことが死に直結するかどうかは別としても、それほどフロスの有用性が認められているということです。
みなさんもこれからは「昼食後は歯みがきではなくフロス」でお口のケアを行ってみてください!
むしろ歯ブラシより歯垢がよく取れるので、続けているともうフロスが手放せなくなりますよ〜^ ^
フロスがいかに歯の健康に有効かについは、データを用いてこちらの記事でもくわしく説明しています。
【関連記事】【歯科衛生士あるある】彼氏に絶対やってほしいお口のケア3選!
【関連記事】「フロス」と「歯間ブラシ」どっちを使えばいいの? 歯科衛生士がくわしく説明します
仕上げに…
フロスで食べかすや歯垢を取り除き、唾液の力を存分に活かせる状態をつくったら、さいごにぜひやっていただきたいことがあります。
それはキシリトール100%ガムを噛むことです。
ガムを噛む事による唾液のはたらきに加え、キシリトールの虫歯予防効果も得ることができますので一石二鳥です。
昼食後の歯のケアは「フロス」+「キシリトール100%ガム」でカンペキです。
キシリトール100%ガムは正しいかみ方を2〜3週間つづけていただくと、あきらかに自分の歯の状態が変化したことに気づくことができます。
日頃の歯のツルツル感がすごく長続きするんです!
おすすめのキシリトール100%ガムや、正しい噛み方については以下の記事でくわしく書いていますのでご覧いただき、ぜひ実践してください。
その効果に驚かれると思います (^^)
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