映画『NERVE ナーヴ』ネタバレなし感想&評価
あらすじ:高校生のヴィー(エマ・ロバーツ)は、ひょんなことから裏オンラインゲームに参加する。それは視聴者が出す指令をクリアして賞金をつかむというもので、彼女は見知らぬ者と5秒間キスをして賞金の100ドルを得る。同じゲームのプレイヤーでもあったキスの相手イアン(デイヴ・フランコ)と一緒に、繰り出される指令を遂行していくヴィー。人気プレイヤーコンビとなって多額の賞金を手にする二人だったが、イアンの怪しい一面が浮き上がり、さらに指令の過激さもエスカレートしていき……。(シネマトゥデイ)
製作国:アメリカ 上映時間:96分 製作年:2016年
監督:ヘンリー・ジュースト / アリソン・シュルマン 脚本:ジェシカ・シャーザー
キャスト:エマ・ロバーツ / デイヴ・フランコ / エミリー・ミード / マイルズ・ハイザー / ジュリエット・ルイス 等
映画館:「NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」の映画館(上映館)を検索 - 映画.com
どうも、アバウト男です!
新年一発目の劇場鑑賞作に選んだのはこの映画【 NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム】。『NAVER ネイバー』じゃないですよ!? なんか似てるけど。
青春映画【パロアルト・ストーリー】で年頃のウブな女の子を演じていたエマ・ロバーツちゃんが『チャレンジングなオンラインゲームではっちゃっける映画』という事で、心配する親戚のオジさん気分で観て来ました!今回はネタバレなしの感想になりますが、一部内容には踏み込んでいます。
今作られるべき『ネット社会』風刺映画!
いや〜、先に率直な感想を言っちゃえば、
これ面白かった!
人は選びそうだけと、気軽に楽しめるアドレナリン映画は好きですね!
バカな事や突飛な事をやって目立ってなんぼなユーチューバーや生配信や、自分の事をネットで晒して注目を集める行為が当たり前のように世に溢れる『ネット&SNS』時代を刺激的にチクチクと風刺し、今が『鮮度』最高潮な形で観客に痛く突きつけて来る、新年一発目に相応しいテンポ良くサクサク進むスリリングな快作でした!ぶっちゃけ最高です!
バカがスターになれる危険なゲーム!
オンラインゲーム『NERVE/ナーヴ』とは、やる側の『挑戦者』とお金を出して挑戦を観る側の『視聴者』に分かれ、スマホに送られてくる『指令』に街中にいる挑戦者が時間内にクリア出来れば、その挑戦に見合った金額が手に入る『度胸試しゲーム』だ。
例えば、簡単なモノだと『レストランに入り、見ず知らずの男に5秒間キスしろ』とか『目隠しした状態でバイクで96キロ出せ』とか、出される挑戦は様々。視聴率が上がると金額と共に指令の難易度もつり上がって行く。
いやいや簡単じゃねぇ!キスとか速攻で逮捕だろ...
『日本でNERVEをやったら』と現実的に考えちゃうときっと無理があるので、その辺は肩の力を抜いて傍観者気分で。観ている間は全然気にならないよ。
で、その『挑戦』の様子は挑戦者本人がスマホで撮影し視聴者達はそれをスマホやパソコンからリアルタイムで観ることができ、より過激な指令をクリアしていく視聴率の高い『人気の挑戦者』がロックスターばりにモテはやされる。
言ってしまえば、どれだけ恥を捨てられるか、どれだけ倫理を無視できるか、どれだけ無茶できるか。最もバカになれるヤツがスターになる危険な度胸試しゲーム!それがNERVE。
もう堪らんですね!映画的に『美味しい』設定!
『与えられた指令をクリアすれば賞金ゲット』的な作品や、似たような映画は今までもあるけど、Facebook・ツイッター・インスタなどSNSが生活の一部になって、リアルタイムで大勢の人と繋がって熱狂する『今の時代』にフィットした見せ方が上手く出来ている。
指令に失敗したら全額没収とか、難易度によっては最悪死に至るケースもあるし、警察にゲームの事をバラすと痛いしっぺ返し食らうという、もちろんそれ相応のリスクが伴う。
『NERVE』の真の怖さとは
度胸試しゲーム『NERVE』に参加した、エバ・ロバーツ演じる引っ込み思案の女の子ヴィーが、ゲームで知り合ったイケメンのイアンと共に与えられる指令をクリアし、みるみるゲームに飲み込まれ一躍スターに!次第に後に引けない事態へと陥っていく…
『挑戦者を戸惑わせる挑戦の内容』を楽しむってよりかは、若者の承認欲求を掻き立てる現代的なゲームの設定だったり、無責任に煽り楽しむ視聴者の熱狂により、高揚感とスリルと共にどんどんエスカレートし後戻りできなくなってゲーム参加者の様子を、高みの見物を決め込みながら楽しむタイプの作品だ。言わば観客は『視聴者』の立場になり『挑戦者』の挑戦を見守る形になる。なかなかの没入感!
面白いと思った部分
面白いなと思ったのは、挑戦者に出される『指令』は無作為なものではなく故意に『仕組まれた』指令という点だ。ゲーム参加者が登録時に抜き取られるFacebookなどの個人情報からその人の趣味趣向に合わせた『指令』を出され、挑戦者は「これなら出来るかも」と心理を突かれついつい指令に乗ってしまい、一度味をしめればズブズブとハマって行く。
これは、過去にネットで買い物をしたものから関連商品を宣伝されるネット広告の形にも似てるし、軽い気持ちでやったらハマって行く点でいうと、若者が犯罪やドラッグに気軽に手を染めるメタファーも含んでいるように感じた。
それと合わせて指令が『他の挑戦者の挑戦』に干渉できる設定も面白かったな。『今行われてるアイツの挑戦の邪魔をしろ』みたいな事もできる。これって要は、指令によって間接的に人を追いつめたり、行動をコントロール出来てしまうことで、ゲームのゾッとする一面を垣間見た。ヘタしたら犯罪を助長したり仕向ける事だってできる。序盤は「へ〜、面白いなぁ」と軽い気持ちで観てると、なかなか奥が深く、文字通りの『危険なゲーム』にいつの間にか引き込まれてる。
画的なデザインのセンスがいい!
本作の良かった点としては、画的なデザインのセンスが抜群に良い!過剰にネオンを光らせるミュージックビデオのようなスタイリッシュなナイトシーンの数々。それにゲームのユーザーアカウントが街中に点在するSNS描写も視覚的に分かり易く、NERVEのゲーム画面もポップなデザインに仕上がっている。
こういう『若者が熱狂するゲーム』みたいなモノを描く時に、ダサかったり観客がある程度惹き付けられないと説得力ないし、その点では全体に渡ってデザインがカッコ良かった!エンドロールの作り込みや流れる良さげな音楽のチョイス含め、監督のセンスの良さが光る。
それと、挑戦中は『自分のスマホで挑戦の様子を撮る』ってルールがある事で、スマホの画面を通した臨場感のある主観映像が合間合間に入って来るので、今リアルに挑戦者の挑戦が行われている感覚もあるし、画のバリエーションも多く飽きさせない工夫もイイなと。
エマ・ロバーツがとにかく可愛い!
とにかく本作主演のエバ・ロバーツがめちゃくちゃ可愛いです!軽く痩せたのか一番仕上がってるんじゃないか!?若干芋くさくて周りに流されやすいけど、実は大胆なヴィーを見事に体現し、「彼女のためならやったる!」って気持ちになるにも同じ男なら分かるーーー!
しかも【パロアルト・ストーリー】オマージュのエマ・ロバーツの下着姿も見れるんだから最高ですよ。ブラのチョイスがいいですね、
監督ここでも分かってるな!
他では、ヴィーの親友で彼女に対抗意識を燃やす『挑戦者』でもあるシドニーを演じたエミリー・ミードの『なんでもやりそう』な負けず嫌いフェイスと絶妙な身体付きから匂うビッチ感が良かった。
それとNERVE上級者で難易度高めの挑戦もなんなくやりこなす『イカれマッドマック男』も、こういうゲームが実際にあればリアルにあの手のヤバい奴はいるだろうな思わせるキャラで、少ない登場人物に絞り、役どころがハッキリしたキャスティングが良かったですね。
ゲームによって『吊り橋効果』的に惹かれ合うヴィーとイアンだけど、あの周りからもてはやされる2人の姿は、よくアメリカの青春映画で出てくるプロムで、ベストカップル賞に選ばれる『今一番イケてるカップル』ぽさがあって、あぁいう高揚感はアメリカならではなのかなぁ。今が一番輝いてる『青春映画』のノリもありましたね。「昔はやんちゃしてたよね〜!」みたいな。
ラストにそれをセリフで言わすかぁ...とかゲームの設定など細々と言いたいことが無いわけでは無いけど、
現代のネット社会の流行りや危惧を浮かび上がらせる設定の面白さ・それを魅力的に膨らます画の見せ方・キャストの好演・96分とタイトな上映時間。諸々が上手くハマったライトに楽しめる作品でした!
2〜3年後には確実に『古く』なっているであろう作品、観るなら今!
まとめ
評価:★★★★ 結構良かったぜ!
終盤までは5点満点付けたいほど面白かったですね!ラストの落としどころがスコーン!と抜けて来なかったのでこのくらいの点数かな。でも新年一発目に頭を使わずに身を任せて気軽に楽しめる作品としてはかなりオススメです。続編も作って欲しいし!
指令:『今から60分以内に近くの劇場にNERVE ナーヴを観に行け!』そんなノリの映画ですw
[ 予告編 ]
関連&おすすめ作品!
パロアルト・ストーリー
本作では弟のデイヴ・フランコとイチャついてたけど、こっちは兄貴のジェームズ・フランコとイチャついてるエマ・ロバーツ主演作。フランコ兄弟と何かあるのか!!?
レベル・サーティーン
似たような作品だとこれを思い出しました。13段階に分かれたゲームをクリアし最終的には1億円得ることができるゲームに翻弄される男を描いたタイ映画。こっちの方が断然陰鬱だしエグいです。指令の内容の刺激性を求めたい方はおすすめ!