韓国の朴槿恵大統領（パク・クネ、６４）の友人、崔順実被告（チェ・スンシル、６０）による国政介入事件は日本ではワイドショーでも詳細に報じられているが、欧米ではどうなのだろうか。

政治文化論

　１２月２０日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル（アジア版）は、韓国・中央日報の英字紙の編集者で、米外交誌などにも執筆するデイビッド・ボロズコ氏による寄稿を掲載した。

　同氏は、朴氏の秘書官らが、朴氏の親友である崔被告に利益誘導したとされる事件の背景について、「問題は、ある腐敗した指導者なのではなく、そうした指導者を支えている個人的なつながりと、経済的な条件にある」と述べた。

　韓国では、権力が「政治的見解を訴えることによってではなく、個人的なつながりを動員することによって」生まれるとみるボロズコ氏は、「人的なネットワーク」が重視される韓国政治の特質が、政治的な発展を妨げてきたと指摘する。

　加えてボロズコ氏は、巨大財閥グループが持つ政界への影響力が、「問題をさらに増幅させている」という。サムスン・グループの売上高が韓国経済に占める割合は約２割にも達する。財閥グループは「みずからの特権的地位を維持するために」みずから市場競争で優位を保つための規制を、政党や候補者への献金を通じて維持していると分析し、「腐敗の根は深く、それは潤沢な資金を持っている」とする。

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