経営再建中の東芝は27日、米原子力発電事業に関連してのれんが当初の想定額を大幅に上回る数千億円規模に上るとともに、減損テストを経てその一部または全額を減損する可能性があることを明らかにした。

  発表文書によると、東芝は米原子力子会社ウェスチングハウスが昨年末に買収した原子力関連の建設・サービス会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスターの資産価値について評価しており、のれんが当初見込んでいた8700万ドルを大幅に上回る「数十億ドル(数千億円)規模」となることが判明した。プロジェクトコストの大幅な増加により資産価値が従来予想を大幅に下回り、必要なのれんの計上額が膨らんだという。

  のれんについては第3四半期決算でウェスチングハウス単体と連結で減損テストを行い、最終的に一部または全部を減損処理する可能性があるとした。綱川智社長が午後6時から都内で会見する。

  東芝は昨年春に発覚した不正経理問題の影響で財務状況が悪化、家電事業や医療機器子会社を売却するなどして財務改善に取り組んできた。スマートフォン向けメモリーなどを手掛ける半導体事業は好調だったが、半導体と並ぶ主力分野の原子力事業が再建への足かせとなる格好だ。原発事業は前期にも約2500億円ののれん減損を計上している。

  東芝株は27日、NHKが東芝の米原発関連企業に関連して「5000億円規模」の損失が発生する可能性があると報じたことなどを受けて急落、一時前日比16%安と2015年5月以来の下落率となった。終値は同12%安の391.6円。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、半導体事業は好調だが、原子力事業の中長期シナリオが描きづらくなっている、と電話取材で指摘した。

  東芝の不正会計問題を受けて東京証券取引所は昨年9月、同社株を特設注意市場銘柄に指定したが、今月になってコンプライアンスの徹底などでさらなる取り組みが必要だとして指定を継続する方針を示している。

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