前回、英語を話すには、[基本文の核] をまず作成するということをお話ししました。
英語は、基本文という軸で成り立っています。
基本文:[主語 動詞 動詞に関連 ~ (+ 接着剤 説明)]
(その中の [主語 動詞 動詞に関連] までが、基本文の核)
基本文の成り立ちについては、こちらからどうぞ。
前回と、前々回の2回に渡って基本文、基本文の核というものが、どういったものなのかを説明してきました。でも、それを理解できれば英語は簡単でしょというのは、英語が話せる側の論理に思えるので、今回は、それを元に、実際の日本語を英語にすることで、どう英文を作成するのかの具体的な方法を提示してみたいと思います。
実際の英文作成の過程を分析してみます
どう英文を作成していくのかを説明するのに、以下の日本語を英文にする流れを利用して考えてみたいと思います。
例 [昨日、渋谷の隠れ家風の創作和食店で、信じられないくらい美味しい料理を食べた]
まず、最初に行うことは、この日本語では、主語が省略されているので、それを顕在化させます。
日本語の性質上、省略されている主語は [私は] です。
そうすると、[(私は)昨日、渋谷の隠れ家風の創作和食店で、信じられないくらい美味しい料理を食べた] なので、主語は、当然、[ I ] とします。
これは、前回説明した、なるべく [人を主語にする] という部分です。
前回の記事は読んでいない方は、こちらからどうぞ。
主語の次に来るのは [必ず動詞] なので、[~を食べた] が動詞ですから、[eat(~を食べる] の過去形の [ate] を主語の次に配置します。
I ate ~
私は 食べた ~
ここまでは特に難しくないと思います。
注目したいのは、その次の部分です。
動詞の次に来るのは [動詞に関連] でした。
私が食べたのは、[信じられないくらい美味しい創作和食料理] なので、それを、どうやって表現するのかを考えます。
ここで重要なのは、[あまり難しく考えない] ということです。
そのためには、拡張による装飾を排除して [動詞に関連] を考えるようにします。
これが意味するところをこの例文で考えると、[信じられないくらい美味しい創作和食料理] を、全てそのまま英語にしようと試みないということです。
例えば、その創作和食の中に、[寿司と、天ぷら] が少しだけあったとします。
そうであるなら、[I ate sushi and tenpura .] で全く問題ありません。
英語を話すためには、むしろ、そうやって簡単な発想をすることが重要になります。
基本文の核を日本語で考えてみると、[~は(が) ~する(した) ~を(に)] になります。
ということは、最初に浮かんだ日本語を [~は(が) ~する(した) ~を(に)] という日本語の枠の中に当てはまるように [都合よく組み替える] ことで英文を作成しやすくできます。
要は、伝わればいいのです。
ここで重要視すること、何なのか?
主語を拡張させない場合、主語は、[I, You, He, She, We, They, It, 名詞] のどれかです。
主語を拡張させないと決めておけば、その中のどれかを選択するだけですから、どれかを選択したら、後は [動詞] と、[動詞に関連] を何にするかを考える作業になります。
その二つに該当する日本後を、頭の中で素早く [これじゃない、これでもない、これにしよう。] と組み替えていくのです。
そして、できるなら説明を補完するために、足りていない [渋谷で = in Shibuya] 、[昨日 = yesterday] を付け足します。
I ate sushi and tempura + in Shibuya + yesterday .
[in Shibuya] は、[接着剤 説明] で、
[yesterday] は、[接着剤がなしで説明を補足できる例外] に属しているものです。
まだ、それだけだと説明が足りていないので、残りの [その料理が凄く美味しかったこと] を伝えます。
=> It was so delicious .
当然、この英文も [主語 動詞 動詞に関連] で形成されていて、[so(とても)] で、[delichious] という動詞に関連が拡張した文というだけです。
もちろん、[so] を、[really] にしても問題ありませんし、最初の文で、[渋谷] [昨日] という部分が欠けていても英文は成立しているので正直なんとかなります。
そういった部分は小さな問題です。思い浮かんだ日本文を、一つの英文で表現しなければならないなんてこともありません。
まず、[主語 動詞 動詞に関連] という基本文の核を作成することが重要で、それで説明が足りていなければ [接着剤 説明] で説明を付け足すか、もう一つ基本文の核を作成すると考えましょう。
もう少し別の視点から考えてみると、どうなる?
でも、寿司も天ぷらも出てなかったらどうするの?と思った方、それをどうするかは何を食べたかにもよりますし、状況次第で表現を考えるしかありません。
そもそも創作和食なんだから、[washoku] でいいんじゃないという考えも、もちろん間違いではありません。和食は、ユネスコ無形文化遺産登録がされたので、以前に比べて伝わる確率は高くなっていると思います。
ただ可能なら、なるべく具体的に表現することをお勧めします。
例えば、逆に我々がイタリアに行って、知り合いのイタリア人に、[昨日、イタリア料理を食べたんだ。めっちゃ旨いやつをね。] と言われたら、どうですか?
[んん?、イタリア人が、イタリアで、イタリア料理を食べるのは至って普通なのでは?] といった感じでちょっと何が言いたいんだろうと思いませんか?そうではなく、より具体的に、[昨日、ピッツァと、パスタを食べたよ。めっちゃ旨いやつをね。] と言われた方が理解しやすいはずです。
具体的かつ相手が知っている単語で表現する方が、相手は理解しやすく、こちらの言いたい事も伝わりやすいはずです。今回の場合で言えば、[動詞に関連] に来るのは、[名詞] なので、相手が理解できるであろう単語(名詞)を考えて当てはめるということです。
装飾をはぎとれば、大半の英文は [主語 動詞 動詞に関連] という形になっています。
とりあえず、[~は(が) ~する(した) ~を(に)] という英文を作成することを目指しましょう。
はっきり言って、最初に頭に浮かんだ日本文なんて、全く重要ではありません。
英語を話す上で重要なことは、[~は(が) ~する(した) ~を(に)] の中に、自分が英語に変換できる日本語を当てはめることです。
つまり、英語を話すためには、
そのためにお勧めしたい事
そのためには、日本語を頭で考える時、[英語の配列にして考えていく] ことをお勧めします。
日本語だと、[俺、食べたよ(それを)。] でも、[俺、(それを)食べたよ。] という並びでも特に問題はありませんが、英語の並びは、[俺、食べたよ それを。」でなければなりません。
この流れを無視した英文を耳にすると、違和感のある英語に聞こえます。言い換えれば、その配列を順守して英文を作れば、ある程度は、違和感のない英語に聞こえるということです。
英語の配列 [主語 動詞 動詞に関連] で日本語を考え、主語、動詞に関連を省略しないクセをつけましょう。
日本語のそのままの感覚に英語をあてはめていると、基本的に配列順が [(主語) 動詞に関連 動詞]となるので、いつまでたっても、[主語 動詞 動詞に関連] という英語の配列感覚が身につきません。
重要なのは、
- [日本語の感覚に、英語を乗せていく] のではなく、
[英語の感覚に、日本語を乗せていく] ようにするということです。
同じことのようにも見えますが、この二つは全くの別の行為です。
日本語と、英語は、全く違う言語体系をしています。その違いを受け入れずに勉強するのは無理があります。その違いを認識し、日本語の感覚で考えるのではなく、なるべく英語の感覚に、日本語の感覚を組み込んでいくべきです。
ただ、ここで間違ってほしくないのは、日本語の感覚を捨てて、英語を考えてほしいというわけではないということです。
私はむしろ日本語の発想を捨てるのではなく、今まで培ってきた日本語の発想を英語に活かすべきだと考えています。
その始まりが、[日本語を] 英語の配列にして考えていくことということです。
そういうことを積み重ねて、[主語 動詞 動詞に関連] という英文の仕組みを理解することが、英語を話すための最初の大きなステップになるはずです。
もちろん、それだけでは、表現できないことも沢山あります。それを補うのは拡張と [接着剤 説明] です。次回、[接着剤 説明] について説明したいと思います。
[補足]
[英語を話す時は、英語で考えろ] という人もいますが、その考えはとりあえず脇においてください。(どこかのタイミングで、この考え方についてお話ししたいと思っています)
英語のルールと感覚の中に、日本語を組み込んでいくことで、[日本語の感覚を、英語に活かしていく] ということを考えて欲しいと思っています。
日本語と、英語の文を作る感覚には、大きな違いがありますが、それを単純化していくことで、その差異を埋めていけるはずです。
英語は、まず [基本文の核] を作成するという原則を頭に入れましょう。