エボラ出血熱 ワクチンで発症を予防 WHO発表

エボラ出血熱 ワクチンで発症を予防 WHO発表
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西アフリカで流行したエボラ出血熱について、WHO=世界保健機関は、カナダ政府が開発したワクチンが病気の発症を高い確率で予防するとした臨床試験の結果を発表し、新たな流行を防ぐための対策の要となる初めてのワクチンとして期待されています。
このワクチンはカナダ政府が開発したもので、WHOなどの研究グループは、エボラ出血熱が流行していた西アフリカのギニアを中心に去年3月からことし1月まで、患者と接触した可能性が高い家族や知人など感染の疑いがある1万2000人余りを対象に臨床試験を行いました。

その結果、感染の疑いがわかり、すぐにワクチンを接種したおよそ3700人は、接種から10日たっても1人も病気を発症しなかったということです。一方で、ワクチンの接種を3週間遅らせた人や、接種しなかった人は、およそ8000人のうち34人が病気を発症したとしています。

エボラウイルスには複数のタイプがあり、今回のワクチンは、2013年からことしにかけて西アフリカのギニアなどで流行した「ザイール」というタイプのウイルスに効果があるよう開発されたということです。

WHOは、このワクチンが「エボラウイルスへの感染を防ぐ初めてのワクチンだ」としており、エボラ出血熱の新たな流行を防ぐための対策の要になると期待されています。