東北大・井上前総長に対する研究不正疑惑の調査報告書が発表される 20
記録がないのでなんともな結論に 部門より
東北大学が16日、研究不正疑義の告発に関する調査報告書を発表した。調査結果は「研究不正は無かった」と結論付けている。
この研究不正疑義は東北大学の元総長である井上明久氏に対するもので、1つは1997年および1999年に発表された論文中でとある合金のものとして提示された試料写真が、1996年に発表された別の論文で提示された別の合金の試料写真と一致しているというもの。もう1つは2001年から2002年にかけて発表された論文内で、図から読み取れる結果と論文の本文中で言及されている値が異なるという指摘と、原点が示されていないグラフを使って議論が進められているという指摘。
調査報告書では写真の切り貼りについては認めており、「説明もなくこのような切り貼りを行うことは研究分野によっては研究不正と判断されることがある」と指摘されてるが、これは研究分野によらず、研究不正であり改ざん盗用である。
また、井上氏に対しては論文を二重投稿しているとの指摘もあり、これについては「二重投稿と表せざるを得ないものが含まれている」との判断が下されてた(2012年の東北大の調査検討委員会報告書PDF、ダイアモンド・オンライン、Nature、ちきゅう座)。しかし、東北大学の「研究活動における不正行為への対応ガイドラインでは論文の二重投稿が研究不正の対象とされていない。東北大学の研究不正行為への真摯な対応が望まれる。
調査報告書(PDF)には告発者による指摘とそれに対する検証結果が示されているが、「提示された試料写真が、別の論文のものと一致している」という指摘については事実としつつ、故意ではなく過失によるものであり、研究結果自体についてはねつ造ではないという結論になっている。
ただ、当時の生データがすべて逸失しているため現在においてはその検証ができないという状況であり、井上氏らによる研究結果が正しいことが完全に証明できたわけではないようだ。
また、「図から読み取れる結果と論文の本文中で言及されている値が異なるという指摘と、原点が示されていないグラフを使って議論が進められているという指摘」についてはついては別の報告書(PDF)で調査結果がまとめられている。こちらについても生データは失われておりそこからの検証はできないという状況だという。
井上氏側は当時は手作業で投稿用のデータを作成しており、紙チャートの縮小コピーなどの際にデータの読み違いが発生したとし、グラフの方が間違っていると主張している。グラフの原点が示されていないことについては材料強度分野では一般的に行われているものとし、「論文の点検に関する研究指導とデータ管理の杜撰さについて、研究指導者の責任が問われるものである」としつつ、意図的な改ざんではないと結論付けてしている。
また、どちらの報告書でも問題の論文に対するErrataを学術誌に投稿することは不可欠であり、不可能な場合は自費出版してでも「より妥当な姿を構成に残すのが研究者としての責務である」とされている。
研究結果が正しい? (スコア:5, すばらしい洞察)
この文章を書いた人は研究不正というものを全く理解していないのではないでしょうか。
「研究結果が正しい」ことを証明する必要はありません。「研究不正がない」ことと「研究結果が正しい」ことは全く違います。
真面目に研究を進めて得られた結果が、後の研究によって否定されることは当然ありえることで、
間違ったことを発表したからといって研究不正だと認定されてしまうようでは、研究者が研究成果を発表することなどできません。
逆に、研究結果が正しくても研究不正がないということにはなりません。
STAP細胞のときも、後になってSTAP細胞の存在が確認されれば小保方さんの疑惑が晴れるというようなことを主張している人が散見されました。
あくまで研究不正の問題なのに、STAP細胞が存在するかどうかという問題との区別がついていないのでしょうね。
Re:研究結果が正しい? (スコア:1)
研究不正の対義語としての「研究結果が正しい」と読んであげればいいんじゃない?
目くじら立てるほど「研究内容の説が正しい」と混同しているようには、俺には読めなかったよ。
おっしゃるとおり、間違った説だけど研究結果が正しい論文って、存在するだろ。
Re:研究結果が正しい? (スコア:1)
ウェゲナー「呼んだ?」
コペルニクスも当時は科学的に否定する風潮があったとか
Re: (スコア:0)
> 研究不正の対義語としての「研究結果が正しい」と読んであげればいいんじゃない?
研究不正の対義語ではないという指摘だよねw
Re:研究結果が正しい? (スコア:1)
問題は、調査報告書の中の少数意見が研究不正ありって言っているのに、研究不正はなかったと結論している点だよ。しかも現総長のコメントまでつけて。どんだけ腐っているのさ。
Re: (スコア:0)
正しい研究課程を踏んでいないのならば内容の如何にかかわらず、良くてSF、悪けりゃ中二ノートだな。
Re: (スコア:0)
否定する方向での検証が現在はできないということであれば
そんな情報は誰も必要としてないんだからいいじゃない
再現性のない情報を何に使うつもりだったの?
証拠は海の底 (スコア:2, 参考になる)
告発本 [amazon.co.jp]、過去のニュースの話(参考) [2ch.net]をメモ。
井上元総長の問題の研究成果はバルク金属ガラスの開発で、1990年代前半まではミクロンサイズの
薄板や極細線しか作れなかったところを、直径1センチ以上の棒状金属ガラスの作成に成功したことであり、
これにより、多くの権威ある賞を受賞した。
しかし、匿名投書で疑惑が持ち上がった。証拠になるはずの製作試料は、
当時実験を担当した張濤(現北京航空航天大学教授)の記者会見によると、
2003年に帰国する際、実験内容ノートや作製した金属ガラスを
「韓国の運送会社に依頼して送ったが、中国・天津の港でコンテナごと海に落ちた」という。
Re: (スコア:0)
本当に海の底なのかいまひとつ疑問な件。
報告書を読んでみた (スコア:2, 興味深い)
研究所に所属しているがあまりアカデミックな活動をしていない立場から。
二重投稿とは
複数の『オリジナリティを求められる学術誌』に対して『同内容の論文』を投稿すること
と定義されています。
ところが『』内が明確ではありません。
極端な例として、少人数への発表
研究室の中間発表などは既発表としてカウントされるのでしょうか。
(そこに組織外の共同研究者が居合わせたりするとややこしいことに)
現実味のある話としては
ある分野で実績を出した人に
その分野の研究動向を紹介してもらうケースなど。
当然自分+他人の研究内容の話をすることになります。
東北大学の報告書によると
井上氏が二重投稿として問題視されているものの多くは
招待講演です。
これ『オリジナリティを求められる学術誌』じゃないでしょう。
また二重投稿の弊害は、査読の手間の増大であるとされます。
招待してまで講演して欲しいのだから、
手間の問題ではありません。
招待講演時のプロシーディングスで自身の論文をreferするのはたいした手間ではないので
「一般的な習慣に従ってreferしてね」程度の問題と思われます。
捏造問題については知らない。
二重投稿 (スコア:1)
現在のガイドライン [tohoku.ac.jp]では、
となっていて、対象とする不正行為を限定していないので、「二重投稿が研究不正の対象とされていない」とは言い切れないと思います。
この二重投稿の問題を受けて改正されたのではないでしょうか。
ネットの方 (スコア:1)
数年前から経過をウォッチしていた私としては、かなりモヤっとする結論
かなりきわどい図などが他にもあったような気がします
ただ、ネットの方々の調査でも決定的な証拠が出ないなら、不正では無いのかな?とも思ったり、、、、
ただ、騒動が持ち上がったのが2007年頃なんですよね、
これってセルカンや小保方事件でネットの方々の調査能力が明らかになる前なので
当時の感覚で隠蔽できると思っているなら、壮大なシッペ返し食うと思いますね
さて、ネットの方の調査力はいかに?
Re: (スコア:0)
裁判に負けた人達がここで調査してるよ。
https://sites.google.com/site/wwwforumtohoku3rd/ [google.com]
不正はなかった (スコア:0)
いいね?
Re: (スコア:0)
さすが日本を代表するブラック企業のトップは違いますな
Re: (スコア:0)
もう日本は国自体がブラック国家と言っていいような状態ですから
Re: (スコア:0)
国旗も黒地に赤丸にしてはどうでしょうか。
無いことを断言するとか (スコア:0)
凄いなw
Re: (スコア:0)
告発された事項に関して研究不正が無かったと認定したということでしょ
Re: (スコア:0)
違う。「調査しましたが問題はみつかりませんでした」だ。
アンチウィルスソフトのメッセージと同じ。
# 解釈も同様で。