ISが世界遺産都市パルミラに再侵攻

ISが世界遺産都市パルミラに再侵攻
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シリアで過激派組織IS=イスラミックステートが、一度、撤退した世界遺産都市パルミラに再び侵攻し、貴重な文化遺産の破壊が繰り返されないか、懸念が高まっています。
シリアの内戦の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、世界遺産に登録されている古代ローマ時代の遺跡がある、中部のパルミラに10日、過激派組織ISが侵攻しました。ISはパルミラを警備していたアサド政権の政府軍に対し、爆発物を積んだ車などを使って激しい攻撃を加えているということです。

パルミラは去年5月にISに制圧されましたが、ことし3月にロシア軍の支援を受けた政府軍が奪還していました。その後もISは、アメリカ主導の有志連合による空爆などで弱体化し、支配地域を減らしてきましたが、北部のアレッポなどで政府軍と反政府勢力の攻防が続く中、その隙を突くように再び侵攻しました。

ISはパルミラを支配していた際、イスラム教の極端な解釈に基づいて、神殿や墓などを次々に破壊しており、世界有数の文化遺産の破壊が繰り返されないか、懸念が高まっています。