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正体は「殺人犯はそこにいる」(新潮文庫)

 ブックカバーでタイトルや著者を隠して販売し、異例の売れ行きとなった1冊の本「文庫X」について、企画した盛岡市の「さわや書店フェザン店」が9日夕、「殺人犯はそこにいる」(新潮文庫)だったと明らかにした。著者の清水潔・日本テレビ記者を招いたトークイベントも同日、店内で開く。

     「殺人犯はそこにいる」は、1979年~96年、栃木、群馬両県で4人の幼女が殺害され、1人が行方不明になった「北関東連続幼女誘拐殺人事件」を清水記者が取材したノンフィクション。事件の一つ「足利事件」で決定的証拠とされたDNA型鑑定などへの疑問点をあぶり出し、無実を訴えていた男性は再鑑定で再審の道が開かれ無罪となった。

     司法機関が生み出す冤罪(えんざい)や真犯人が逮捕されない不条理を地をはう取材で告発する硬派作品だったため、同店店員の長江貴士さん(33)が「普通の売り方では売れない」とあえて内容を伏せ、本への熱い思いをつづったオリジナルカバーで包み7月下旬から販売した。

     謎めいた手法がインターネット上で盛り上がり、全国の書店も追随。この本にカバーをかける店は11月末で47都道府県の650店以上に広がった。出版元によると、7月下旬の販売開始時点で初版3万部だったが、18万部までの重版となった。【藤井朋子】

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