うその捜査書類作成の疑い 麻薬取締官を逮捕

うその捜査書類作成の疑い 麻薬取締官を逮捕
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違法な薬物の摘発を行う厚生労働省の麻薬取締部の46歳の麻薬取締官が裁判所に捜索令状を請求する際にうその内容の捜査関係書類を作成したなどとして警視庁に逮捕されました。
逮捕されたのは、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部横浜分室に所属する麻薬取締官で、横浜市青葉区の奥村憲博容疑者(46)です。

警視庁の調べによりますと奥村取締官はことし2月から4月ごろにかけ覚醒剤事件の捜索令状を取るためうその内容を盛り込んだ参考人の供述調書を作成し裁判所に提出したとして虚偽有印公文書作成などの疑いが持たれています。
この供述調書などをもとに裁判所から出させた令状で通話履歴が差し押さえられていたということです。

警視庁が、ことし9月に、覚醒剤を所持していた疑いで逮捕した50代の男の捜査の過程で奥村取締官の職場など関係先を捜索したところうその書類を作成した疑いがあることが発覚したということです。
警視庁の調べに対して奥村取締官は「間違いありません」と容疑を認めているということで警視庁はくわしいいきさつを調べています。

厚労省「極めて遺憾」「優秀な取締官」

麻薬取締官が逮捕されたことについて、厚生労働省は「容疑が事実であれば極めて遺憾です。厚生労働省としては、今後の捜査に全面的に協力するとともに捜査結果を踏まえて事実が確認された場合は厳正に対処します」とコメントしています。

また厚生労働省によりますと、逮捕された奥村取締官は密輸事件などを扱う麻薬取締部横浜分室の中で幹部に当たる情報官という立場だったということです。複数の麻薬取締部の職員は「ベテランで、国際捜査にもたけている優秀な取締官だ。今回、逮捕されたと聞いて非常に驚いている」などと話していました。

麻薬取締官は特別司法警察員

麻薬取締官は、地方厚生局の麻薬取締部に所属する厚生労働省の職員で、全国におよそ300人います。

刑事訴訟法に基づく特別司法警察員として逮捕権を持ち拳銃の所持も認められていて、薬物犯罪に関する捜査のほか、麻薬や向精神薬の不正な流通を防ぐため定期的に病院や薬局などに立入検査も行っています。

最近の事件では元女優の高樹沙耶被告を大麻を所持していた疑いで逮捕したほか、東京などから長野県に移り住んだ住民22人や、鳥取県で町おこしのため産業用の大麻を栽培していた会社の代表を大麻取締法違反の疑いで逮捕したのも麻薬取締官です。