【ストックホルム=藤井寛子】ノーベル生理学・医学賞を受賞する大隅良典東京工業大学栄誉教授(71)は7日午後(日本時間7日夜)、ストックホルムのカロリンスカ研究所で記者会見と記念講演に臨んだ。会見では「興味の持てる分野で、素朴な疑問を追究してほしい」と若い人へメッセージを送った。
会見では英語と日本語を交え、「(一連の行事が続くが)気張ることなく、今まで通り過ごせたら私らしくていい」と和やかに語った。
大隅さんは「好奇心を持って、新しい領域を開くことが大切」と強調。ほとんど誰も注目していない頃から、細胞が不要なたんぱく質などを分解して再利用するオートファジー(自食作用)を研究してきた自身に重ね合わせるように助言した。
講演では一般の約1千人を前に業績を解説した。細胞中の液胞の研究を始めた頃は、細胞内の「ごみため」と思われており競争相手もいなかったが、研究を進めると重要な役割を果たしているのが分かり、オートファジーの研究に発展したなどと説明。日本の四季にも触れ、「秋の紅葉にもたんぱく質の分解が関わっている」と語った。
最近、オートファジーは人の病気との関連も調べられるようになっている。研究者や家族らに感謝の意を表して講演を締めくくると、聴衆から大きな拍手が送られた。