金属の玉で路線バスの窓割った疑い 少年2人逮捕

金属の玉で路線バスの窓割った疑い 少年2人逮捕
スリングショットと呼ばれる、強力なゴムの力でものを飛ばす道具を使って金属の玉を発射し、60メートル先を走行中の客が乗った路線バスの窓ガラスを割ったなどとして、都内の少年2人が警視庁に逮捕されました。
逮捕されたのは東京・八王子市のいずれも建築作業員の18歳と19歳の少年です。

警視庁の調べによりますと、ことし10月下旬の午後8時半すぎ、八王子市内のコンビニの駐車場から、スリングショットと呼ばれる、強力なゴムの力でものを飛ばす道具を使ってパチンコ玉ほどの金属の玉を発射し、60メートル先を走行中の路線バスの窓ガラスを割ったなどの疑いが持たれています。

バスの乗客にけがはありませんでしたが、窓ガラスが粉々に割れ、発射したコンビニの防犯カメラには、ガッツポーズをして喜ぶ少年の姿が写っていたということです。

また2人は、この1分後にも18メートル先を走行していた、およそ40人が乗った高校のスクールバスにも発射し、窓ガラスにひびが入ったということです。

警視庁や環境省によりますと、スリングショットは海外製が多く、猟やスポーツ競技で使われることがありますが、明確な規制はなく、少年らはインターネットを通じて、およそ3000円で購入していたということです。

警視庁の調べに対し、18歳の少年が「遊び感覚でやっていた。何かに当てる感覚が欲しくて走行中のバスが視界に入り的にした」と供述するなど、いずれも容疑を認めているということです。

強力な威力 動画サイトにも

スリングショットは、強力なゴムの力でものを飛ばす道具で、インターネット上では“鳥獣被害対策”や“サバイバル”などといったうたい文句で、金属製の弾などとともに販売されています。価格は、2000円台から3000円台が多く、逮捕された少年もおよそ3000円でネット通販大手のサイトから購入していたということです。
インターネットの動画投稿サイトには、その威力を紹介する動画が複数、アップされています。このうち今回の事件に使われたものと同じ型と見られるスリングショットを使った動画では、鉛の弾を発射し、数メートル先のアルミ缶に穴を空けたり、フライパンをへこませたりする様子が撮影されています。

警視庁や環境省によりますと、スリングショットは猟やスポーツ射撃などに使われることがあり、強い威力がありますが、銃ではないため、銃刀法では取締りの対象にはなりません。また狩猟に関する規定がある鳥獣保護法では、狩猟に際してスリングショットに似た弓矢を使用することは禁止されていますが、スリングショットに関する記述はありません。

一方、車のトランクなどに隠し持っていた場合は、軽犯罪法で検挙される可能性があるということですが、明確な規定はないということです。