みなさんこんにちは!禁断 @J_kindan です。
今回は、劇団四季ノートルダムの鐘(東京公演:四季劇場[秋] 2016年12月11日開幕、京都公演:京都劇場 2017年7月開幕)について書きます。
このミュージカルの主役、カジモドの空想力と不思議な能力変化について解説していきますよ!
・この記事をスマホからサクサク読めるAMPで読む
・この記事を通常版で読む
目次
劇団四季ノートルダムの鐘:カジモドの空想力と不思議な能力について解説
一切何の知識も入れずノートルダムの鐘を観劇したい人は、この記事は読まないでください。
(Instagram:gekidanshiki_official 劇団四季ノートルダムの鐘稽古場 「メイド・オブ・ストーン」 カジモド:飯田達郎)©Disney
カジモドは生まれたときからハンチバックであるため、顔は歪み、背骨は曲がり、歩行が困難です。その容姿から人々からは「怪物」と呼ばれています。
また、カジモドは赤ん坊の頃からフロローに鐘撞き塔に閉じ込められてしまっているので、大音量の鐘の音に耳がやられ、聴覚は不自由です。耳が聞こえにくいので、言葉を話すのも容易ではありません。
生まれもってのハンデと、人(フロロー)の手により強制されている劣悪な環境のせいで、カジモドはたくさんの不自由という「宿命」を背負っています。
どのように人と会話をするのかと言うと、会話する相手と接近し、向き合うことで、相手の口の動きを読み取って言葉を理解するのです。(耳が不自由とはいえ、少しは聞こえています)
カジモドの聴覚を理解している(カジモドの耳を壊した張本人でもある)フロローもそうですし、優しいエスメラルダはカジモドは耳が不自由であることに気づいて、正面から顔を見合わせて、ゆっくりと、大きく口を開いて会話をしてくれるようになります。
カジモドの不思議な能力=空想とは
さて、カジモドには不思議な能力があります。それは空想をすること。
その空想とは、彫像やガーゴイルや鐘と会話ができるのです。
時には聖書から聖アフロディシウスまで飛び出し、カジモドと(空想上で)会話します。(フライト・イントゥ・エジプト)
カジモドはなぜこんな不思議な能力・空想を持ち合わせているのかといえば、カジモドは赤ん坊の頃から、フロローに鐘撞き塔に閉じ込められたことで、常にひとりぼっちでした。
フロロー以外会話をすることがないカジモドは、フロローが与えた聖書を読みふける毎日です。
さらに、外の世界に憧れ、街で普通に生活することを夢みています。
やがてカジモドは、空想力が次第に強化され、本来は話をしないはずの彫像やガーゴイルや鐘と、会話ができるようになったのです。
(Instagram:gekidanshiki_official 劇団四季ノートルダムの鐘稽古場 カジモド:海宝直人)©Disney
実は「空想」についてナーバスになっていたカジモド
しかしカジモドは、その能力(空想力が強いこと)について、実は、とても気にしていることのひとつでもありました。
なぜなら、ハンチバックであるから鐘撞き塔に引きこもらなくてはいけない自分。(街の人が怖がったり酷い差別を受ける、とフロローに繰り返し教えられていた)
それは、他の人とはちがって「普通ではない」宿命を背負っているから。
「怪物」だから、人とは違う能力を持ち、本来話すはずのない「石」と会話をしてしまうのだと。
自分がもし、「普通の人間」であれば、自由にどこにでも行くことができるし、そもそも空想を膨らませて、本来話をしないはずの石とは会話をしなくてもいいのです。
カジモドは自ら空想を封印してしまう
ことあるごとに彫像やガーゴイルは、カジモドに献身的に世話を焼き、相談相手になり、時には叱咤激励します。
生まれたときからひとりぼっちだったカジモドが、これまで生きていた上で、彼らはとても心強い存在であり、大きな励みになっていたことは間違いありません。
しかし、フロローに追い込まれてしまったカジモドは、彫像やガーゴイルの励ましを鬱陶しいと思ってしまいます。
そしてついには、彼らにこう言ってしまいます。
「だまれ!お前たちが喋るのは普通のことではないんだ!」と。
親友であった筈のカジモドの言葉にショックを受けたガーゴイルたちは、「ああわかったカジモド。君の言うとおりだよ」と言って、カジモドの前から去るのです。
そして、カジモドの前には二度とあらわれなくなります。(メイド・オブ・ストーン)
空想を封印したカジモドの身に起こった変化
その後、カジモドはとある不思議な変化をもたらします。
大好きだった○○○ が死に、あまりに辛くて泣き、嘆き悲しむカジモド。
そこにやってくるのは、○○○ を殺した○○ です。
カジモドは怒り、○○ に、強い口調で詰め寄ります。
その時に、です。
これまでは相手に近づき、向き合って口元を読まなければ言葉を理解できなかったカジモドは、○○ の言葉を容易に聞き取れるようになっています。
それどころか、カジモドの方から次々と発言します。どんどんと詰問を繰り出し、徐々に○○ を、言葉で追い詰めていくのです。
さらにカジモドは、ハンチバックだった身体がみるみるまっすぐに伸びます。○○ は、(背が伸びて)巨大化したカジモドに恐怖を感じ、逃げ出そうとします。
その後、最愛の○○○ をかつぎあげ、鐘撞き塔の外へ運び出します。
その時にもカジモドの身体はまっすぐに伸びています。
まとめ:カジモドの不自由を無効化し自由を与えたのは一体誰なのか?
いかがでしたか?
たくさんの不自由という宿命を背負ったカジモドは、ラストには多くのものを失ってしまいます。
でも、ほんの少しの自由を手に入れることができます。
では、カジモドに自由を与えたのは神でしょうか?
エスメラルダ?
友達だった、彫像やガーゴイルでしょうか?
それとも、カジモドは、人々が言うような「怪物」などではなく、「普通の人間」だったのでしょうか。
それは、あなた自身がこの舞台を体感し、感じとって、あなたの心で考えてみてくださいね。
それでは今回はこのぐらいで。おっしまい!
関連記事:
完全ネタバレあらすじ:
劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』公演情報
京都公演:京都劇場 2017年7月開幕