1. 規制対象の強化などを柱とした改正ストーカー規制法が12月6日、衆議院本会議で全会一致で可決され成立した。改正に至った経緯とポイントをまとめた。
2. 1.そもそも、なぜ改正が必要?
改正のきっかけとなったのは、今年5月に起きた事件だ。
東京の小金井市のイベント会場(写真)で、シンガーソングライター、アイドルとして活動する女性がファンと思われる男に刃物で刺され、一時重体となる事件が発生した。
この事件では、女性が事前に「ツイッターで執拗な書き込みをされている」と警察に相談していた。それにも関わらず、事件を未然に防止できなかったことが問題視され、ストーカー規制法改正への動きとなった。
3. 2.実際に強化されたのは?
現行法では、実際に相手を尾行したり、電話やファクスなどの手段しか明文化されていなかった。SNSの普及に伴い、インターネット上でのストーカー行為が増加し、新たな規制の必要性が叫ばれてきた。
今回の改正で、無料通信アプリ「LINE」(ライン)、Facebook、ツイッターなどで、しつこくメッセージを送信したり、ブログに中傷を書き込んだりすることも、ストーカー行為に規定される。
加害者に対する罰則も強化された。ストーカー行為罪の懲役刑の上限が、「6月以下」から「1年以下」に引き上げられた。
罰金も、現行の50万円から、100万円に引き上げられる。
4. 3. 緊急時の手続きを簡略化
現行法では、警察が、ストーカー行為をやめるよう警告したにも関わらず、加害者が従わなかった場合にしか、公安委員会は禁止命令を出せない。また、警察は加害者の弁明も聞かなければならない。
そのため、凶悪事件に発展する恐れがあっても、迅速に対処できず、被害を防げない場合があると指摘されていた。
今回の改正で、緊急の場合は、事前の警告がなくても、公安委員会が禁止命令を出せるよう変更された。
また、被害者の告訴なしに起訴できる「非親告罪」に変更された。
改正法の施行日は、禁止命令の見直しが公布日から6ヶ月後、それ以外は20日後の見通し。公布日は決まっていない。