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一斉摘発で3人逮捕 所有者の行動監視も

 パソコンのソフトを使い、他人のスマートフォンに遠隔操作できるアプリを無断でインストールしたなどとして、15道府県警が不正指令電磁的記録供用などの疑いで一斉摘発に乗り出し、3人が逮捕、10人が書類送検されたことが分かった。京都府警などが25日、発表した。このソフトでスマホ所有者の行動を監視し、個人情報を不正取得するケースが全国で相次いでいるといい、捜査当局は横浜市のソフト開発会社の立件も視野に調べている。

     ソフトは「Androidアナライザー」。京都府警などによると、スマホがロックされていない状態なら、ソフトを入れたパソコンに接続するだけでアプリをスマホにインストールできる。開発会社のホームページには、用途として▽紛失したスマホの追跡▽子供や恋人の居場所確認▽社員の勤怠チェック--などと記されている。

     しかし、捜査関係者によると、パソコンによる遠隔操作で、スマホの通話やメールの履歴、位置情報、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の内容などが確認できるほか、ボイスレコーダーを起動させることも可能。アプリをインストールされたことをスマホに通知しない設定もある。インターネットでは「不倫調査に使える」などと流布されており、捜査当局は悪質性が高いと判断した。

     府警によると、会社はこれまでにネットを通じてソフトを約1200人に販売したとみられる。所有者が目を離した隙(すき)に無断でアプリを入れるケースがあるという。

     富山県警が同容疑で逮捕した金沢大医薬保健研究域保健学系助教、尾崎聡容疑者(55)=金沢市太陽が丘=は「知人女性の情報を確認したかった」と容疑を認めている。県警は女性のスマホの画像や通話音声データ、位置情報などを自分のパソコンに送信していたとみて調べている。

     島根県警が同容疑で逮捕した広島市中区の無職の女(33)は知人男性のスマホに無断でインストールした疑いが持たれている。この男性は捜査が始まるまで被害に全く気付いていなかったという。京都府警が同記録取得容疑で逮捕した愛知県西尾市の会社員の男(45)は、交際女性(50)のスマホをのぞき見る目的でソフトを入手。「交友関係を知りたかった」と供述しているという。

     この会社を巡っては、神奈川県警などが今月10日、スマホ向け人気ゲームを有利に進める不正プログラム「チートツール」を製造・販売したとして、社長の男ら3人を組織犯罪処罰法違反(偽計業務妨害)容疑で逮捕している。【鈴木理之、古川宗、根岸愛実】

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