「彼氏彼女(旦那・妻)に携帯電話の中身を見せるかどうか」
この問題についての記事を、SNSで見かけた。
この問題も息が長い。
自分は、交際相手結婚相手を含め他人の携帯は、「とって」と頼まれたとき以外は触れない。当然、中身も見ない。
自分の携帯には触れさせない。
見る派の人の主張でよく聞くのは、「彼氏彼女間で隠し事を無くしたいから」というものだ。
これを聞くたびに疑問が多数思い浮かぶのだが、大きな疑問は主に二つだ。
「携帯電話の中身を見れば、隠し事や秘密はなくなるのか??」
「彼氏彼女で秘密や隠し事があっては、なぜ、いけないのか??」
というものである。
自分の頭の中には、過去に誰にも言ったことがない隠しごとがけっこうある。
このブログもそうだ。
リアルの人間には、どんなに関係性が近い人であろうと誰にも話していない。
なぜ、交際相手に対して秘密や隠し事をしてはいけないのか??
自分にはこれがまったく理解できない。
「秘密や隠し事がなし」ならば、仮に求められたら、自分が食べた昼飯の内容から、会った人から、その会話の内容から、仕事の内容から、トイレに何時何分に何回行ったかとか、聞かれたらぜんぶ答えなくてはならないのだろうか???
「それはきかないから、いいよ」
と言われるかもしれない。
そうすると、なぜ、数ある「隠された事」の中から「携帯電話の中身だけを知りたがる」のだろう???
「やましいことがないなら、みせられるはずだ」
これもよくわからない理屈だ。
やましいことがなくても、例えば飲みすぎたときにトイレに吐いたゲ○の細かな様子とか答えたくない。
それを答えないからと言って、「やましいことがあるからだ」と言われても困る。
それ以前に、その「やましいこと」っていったい何を想定しているんだ??
と言えば、だいたい答えは決まっている。
浮気を疑っている。
これについては個人的には、携帯を見ようが見まいが、浮気する人は浮気すると思っている。
「いや、うちは未然に防げましたよ??」
という人もいるかもしれない。
これには、「浮気をすること」も「他人の携帯を見ること」も同じくらい悪であると言いたい。
仮に交際相手や結婚相手のプライバシーは侵害する権利があったとしても、連絡相手はまったくの赤の他人である。
赤の他人が送った連絡内容は、送られた相手以外が目にしていいものではないはずだ。
それを許してしまえば、「プライバシー」という概念自体が吹き飛ぶ。
「携帯を見たから、浮気を未然に防げた」というのは、「怪しいからボコボコに殴ってみたら、相手が万引き犯でした」と同じようにしか聞こえない。
万引き犯だからと言って、ぼこぼこに殴っていいわけではない。
結果的に相手が罪を犯していた、という事実は、自分が罪を犯していい言い訳にはならない。
そもそも万引きしたことが、自分の見間違いだったらどうするつもりなんだろう。
その場でごめんなさいと謝るだけで済ますつもりなのだろうか???
ただ世の中にはいろいろな関係性があると思うので、第三者のプライバシーに関わる通信内容さえ見ないのであれば、あとは二人の好きにすればと思う。
第三者との通信内容こそ、見たいのだろうと思うけれど。
どうしても見たいのであれば、その見たい理由を自分で考えて、「浮気しているか不安になってしまって、携帯を確認したくなってしまう」のように、理由を素直に言ったほうがいい。
そう言われれば、相手はその不安を解消するための方策を考えようとしてくれるだろう。(たぶん)
なぜ、見なくてもいい相手の携帯を見たいのか、という自分の心の問題を、「交際相手間や夫婦間では秘密や隠し事はないほうがいい」という二人の問題にすり替えるのはどうかと思う。
秘密や隠し事があることと、愛情の強さとは何の関係もない。
ミスチルの「君が好き」という歌の中に、
「君もまた、僕と似たような、誰にも踏み込まれたくない領域を隠し持っているんだろう」
という歌詞がある。
人にはたとえ、親兄弟、パートナーだろうと誰にも踏み込まれたくない領域がある。
その領域がどこであるかを決めるのは本人であり、例え交際相手であろうと結婚相手であろうと赤の他人が決めていいものではない。
相手が自分だけの領域を持ちたいと望むのならば、それを尊重して欲しいと思う。
「浮気しているかどうか自分が不安だから」という理由で、その領域に踏み込もうとする行為こそ、愛がない行為だと思う。
繰り返すが、秘密や隠し事があることと、愛情の強さとは何の関係もない。
相手の自由な心を自分に向けておくためにできることは、相手のことを思いやり、心から信頼することくらいだ。
携帯を見るという行為は、相手を信頼するという発想とは真逆のものだと思う。
まあ、そんな素敵なフレーズを持つ「君が好き」の歌詞を書いた桜井和寿にも、いろいろあったわけですが。
相手との信頼関係を回復する意思などなく、相手が結婚相手である自分の権利を踏みにじっているから離婚のための証拠集めをしたいという状況なら、自分の権利を守るためにあらゆる手を使えばいいと思う。
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