米司法長官 トランプ氏勝利後の差別多発に懸念表明

米司法長官 トランプ氏勝利後の差別多発に懸念表明
アメリカのリンチ司法長官は、トランプ次期大統領が選挙で勝利して以降、移民や黒人などに対する差別に基づく脅迫行為や嫌がらせの報告が相次いでいることに懸念を表明し、断固とした姿勢で取り締まる方針を示しました。
アメリカのリンチ司法長官は18日、差別に基づく犯罪、ヘイトクライムの統計についてビデオ声明を発表しました。

この中でリンチ長官は、去年1年間、イスラム教徒を標的にした事件が257件起き、前年から67%増え、警戒が必要だと指摘しました。

さらに、トランプ次期大統領が選挙で勝利して以降、移民や黒人などの少数派への差別に基づく脅迫行為や嫌がらせの報告が相次いでいることに強い懸念を表明し、FBI=連邦捜査局がヘイトクライムに当たるか捜査を進めていることを明らかにしました。そして、リンチ長官は「こうした行為は学校などでも起きている。見かけたら通報してほしい」と述べて、断固とした姿勢で取り締まる方針を示しました。

アメリカの民間団体によりますと、選挙後のおよそ1週間で、差別に基づく脅迫行為や嫌がらせの報告は400件以上に上ったということです。トランプ氏は、今月13日に放送されたテレビのインタビューで、「非常に悲しいことだ。やめてほしい」と述べ、国民に自制を呼びかけていますが、融和のためにより積極的な姿勢を打ち出すべきだとの声も出ています。