APEC閣僚会議 共同声明を採択 “保護主義に対抗”

APEC閣僚会議 共同声明を採択 “保護主義に対抗”
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ペルーで開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の閣僚会議は、18日、共同声明を採択して閉幕しました。声明では、アメリカのトランプ次期大統領がTPP=環太平洋パートナーシップ協定などに反対していることなどを踏まえ、保護主義への対抗姿勢を強く打ち出す一方、それぞれの国と地域に対し、自由貿易の恩恵が広く行き渡るよう対策を促しました。
太平洋を囲む21の国と地域が参加してペルーで開かれていたAPECの閣僚会議は、2日間の議論を終え、日本時間19日午前2時すぎ、共同声明を取りまとめ、閉幕しました。

今回の会議では、アメリカのトランプ次期大統領が選挙戦ではTPPから直ちに離脱するとしていたことなどを踏まえ、自国の産業を守ろうという保護主義の広がりや、自由貿易が停滞することへの懸念が、多くの国から出ました。

これを踏まえ、共同声明では、TPPなどの貿易自由化によって得られる恩恵を効果的に伝えることが重要だとして、それぞれの国と地域に対して、自由貿易の恩恵を実感しづらい中小企業や労働者を対象とした国内対策を充実させるよう促しています。

また、TPPの発効に向けた取り組みを各国が続けることや、中国が参加するRCEP=東アジア地域包括的経済連携の交渉などを一層、加速することも重要だと指摘しました。

今回のAPECの閣僚会議は、世界的に高まりつつある保護主義に対抗する姿勢を一致して打ち出しましたが、保護主義が高まった背景を省みる機運も高まり、日本は自由貿易の課題の克服にも域内を主導していくことが求められそうです。

議長国ペルー「保護主義に後退しない」

議長国ペルーのフェレイロス通商観光相は18日、記者会見で、「APECに参加する国と地域は、保護主義に後退することはない。これまでどおり、われわれにとって有益な経済連携のプロセスを推し進めていきたい」と述べ、保護主義に対抗して地域の経済連携を推進していくことが重要だという考えを強調しました。