猫の病気、甲状腺機能亢進症はホルモンのバランスが崩れることで、猫の体に異常をきたしてしまう病気ですが、なぜ健康な体を維持するのに欠かせないホルモンのバランスが崩れることで、甲状腺機能亢進症になってしまうのでしょうか?今回はホルモンの病気「甲状腺機能亢進症」の特徴と症状、予防策について見てみましょう。

猫の体とホルモンの関係

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一般的に去勢手術や避妊手術をしたことによって、

  • 「前より太りやすくなった」
  • 「少し性格が変わったかも」

など、術後の猫には様々な症状が出ることがありますが、これは猫の「ホルモン」の分泌量のバランスが変わった為に起きる症状です。

聞き馴染みもあるこの「ホルモン」と呼ばれる物質は「内分泌器官」という場所で作られている「内分泌」のこと。

この内分泌器官は、

  • 膵臓
  • 甲状腺
  • 卵巣
  • 精巣

など、体の様々な部分にあり、内分泌の分泌量が崩れる=ホルモンバランスが崩れることによって、猫の体に様々な影響を及ぼします。

ホルモンバランスが崩れることで見られる症状

このように、猫の体をコントロールするために不可欠なホルモンですが、一見して非常にわかりにくいこのホルモンバランスの状態。

主に「脱毛」といった症状や、先ほども触れた極端に、

  • 太る・痩せる
  • 水を多く飲む
  • おしっこの量が多い

など、普段から注意してみていれば気づくことができそうな症状が見られます。

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これは、ホルモンバランスが崩れたことによって、ホルモンが過剰に分泌されている、もしくは分泌が過剰に減っている事で引き起こされている症状で、猫の体にこのような状態が見られる時には、内分泌器官の異常が疑われます。

ホルモンバランスが原因で発症する甲状腺機能亢進症とは

ホルモンバランスが崩れていることによって引き起こされる病気に「甲状腺機能亢進症」という病気があります。

この甲状腺機能亢進症は、新陳代謝を促すために必要な「甲状腺ホルモン(サイロキシン)」の分泌が異常に活発になる、または持続的に過剰分泌されることで引き起こされます。

比較的高齢の猫が発症する病気で、8歳前後の年齢に多く見られます。

また、甲状腺機能亢進症を発症することで甲状腺中毒となり、体に様々な影響を及ぼしてしまいます。こうしたことで、心臓や臓器への影響も大きい病気です。

甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺機能亢進症の症状は「食欲の増加」が見られるのに「体重が減少」していく事や、

  • 水を異常に飲む
  • おしっこの量が多い
  • 嘔吐
  • 下痢

といった症状も現れます。

また、特徴的なのは「活動的になる」ことや「落ち着きがなくなる」といった行動も見られ、時には「攻撃的になる」こともあります。

こうした症状を発症し、病気が進行していくと「食欲不振」「活動の低下」へと症状が変化していきます。心筋症なども併発する可能性もあり、場合によっては生命に危険が及ぶ病気でもあります。

甲状腺機能亢進症の原因

甲状腺機能亢進症の原因となるのが、腺腫様過形成や良性腫瘍・悪性腫瘍が甲状腺に出来てしまうことで、甲状腺ホルモンが過剰分泌されることで引き起こされることが原因となります。

腫瘍と聞くと「癌」がイメージされますが、こうした腫瘍が癌腫瘍である確率は低く、良性腫瘍である場合の方が多いようです。

残念ながらこうした腫瘍を発症する主な原因はわかっていませんが、高齢なのに、最近やけに活発だなと感じた時や、体重が急激に減っているなと感じた場合は、早めに診断を受けたほうがよいでしょう。

病院での診察は、血液検査で甲状腺ホルモンの数値を確認する内容となります。

甲状腺機能亢進症の治療方法

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甲状腺機能亢進症を治療するには、内科療法もしくは外科療法による治療となります。

外科療法の場合、甲状腺機能亢進症の原因となる甲状腺の切除を行う事になりますが、左右にある甲状腺の両方を切除する事になってしまうと、一生ホルモン投与による生活をしいられてしまいます。

内科療法の場合は、抗甲状腺薬剤の投与による治療になりますが、投薬によって甲状腺ホルモンが低下しすぎるのを防ぐため、定期的なホルモン数値の測定が必要になります。

基本的には抗甲状腺薬による治療となりますが、抗甲状腺薬剤治療による副作用が出た場合には外科療法での治療となる場合があるようです。

猫の病気、甲状腺機能亢進症について!【原因と治療法は?】のまとめ

こうしたホルモンバランスの異常で発症してしまう病気を未然に防ぐには、日頃の健康管理はもちろんのこと、ちょっとした異常に気がつけるように愛猫の観察も欠かせません。

甲状腺機能亢進症の場合、腫瘍となる「しこり」ができる事で発症する病気なので、他のホルモン系の病気と違い、毎日注意深く観察することやスキンシップをすることで、発見は比較的容易になるかもしれません。

甲状腺機能亢進症は、早期発見で早期に治療を施すことができれば、症状を未然に防ぐことや症状の悪化を抑えることもでき、治療後もホルモン数値を測定するなどといった検査も必要ありません。

腫瘍となるしこりを除去することで、ホルモンの病気の代表格でもある「糖尿病」のような、一生涯付き合っていかなければいけない病気とは違い、通常の生活に戻ることができるのです。

高齢であるにもかかわらず、最近やたらと活発だなと感じた時にはしこりが無いかを確認し、こまめに体型や体重を計測するようにすると、ささいな変化にも気がつけるようになれます。

また、毎日の観察や食事量を注意深く確認する事や、排泄量の確認やトイレの状態も把握出来るようにしましょう。

こうした観察のなか、ちょっとした異変を感じた場合は早めに診察してみると良いかもしれません。