TPP トランプ氏に再考促す声やほかの選択肢模索の動き

TPP トランプ氏に再考促す声やほかの選択肢模索の動き
アメリカで、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱に言及するトランプ氏が次の大統領に選ばれたことを受け、交渉に参加している各国からは、トランプ氏に、再考を求める声が上がる一方で、中国などが参加するTPP以外の貿易の枠組みへの参加を模索する動きも出ています。
このうち、年内にも協定の批准が予定されている中米のメキシコは、アメリカを除いた11か国でも協定が発効できるよう協議する必要があるという意見も出ています。

南米のペルーは、アメリカがTPPに参加しない場合には中国などが参加する新たな貿易の枠組みを構築すべきだとしています。

オーストラリアはTPPについて、「アジア太平洋地域で重要な貿易協定だ」として、トランプ氏に再考を促す一方で、アメリカが協定を承認しない場合には、中国などが主導する貿易協定への参加に向け交渉を進める考えを示唆しています。

今月15日、TPPの議会での承認手続きを終えたニュージーランドは、トランプ氏に再考を求めています。

マレーシアは、TPP協定が発効しないとなれば、ほかの選択肢を探ることになるとして、中国が主導する貿易協定への参加に向け交渉に力を入れていく考えを示しています。

シンガポールは、リー・シェンロン首相が地元のメディアに対して、「協定に参加するすべての国が失望している」と述べたうえで、トランプ氏に対して、再考を促しています。交渉をやり直すことについては否定的な見解を示しています。

ベトナムでは、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利したことについて、フック首相が「ベトナムがTPPに参加するための十分な根拠がなくなった」と述べ、国内での早期の批准に否定的な考えを示しました。