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報告使い回し松江でも…自民系市議8人

3人は全文同一

 松江市議会の自民系最大会派「松政(しょうせい)クラブ」(13人)の市議8人が、東日本大震災の被災地を視察し政務活動費を請求した際、類似した内容の視察報告書を議会に提出していたことが16日、複数の市議への取材で分かった。うち3人は全文が同一だった。会派のパソコンに保存された報告書に加筆や修正を加え、市議らで使い回すことが慣例化していた。他の視察4件でも延べ10人が同様の報告書を提出していた。

 報告書によると、松政クラブの11人が昨年11月18~20日、福島県内であった「全国市議会議長会研究フォーラム」に参加し、東日本大震災の被災地を視察。1人につき3~8枚の報告書を提出し、政活費12万円前後をそれぞれ受け取った。

 このうち8人の報告書は行動日程の表記だけでなく、一人一人の所感までもが類似し、うち3人は報告書の記載全てが同じだった。他は、1人の市議が書いた文章をベースにして所感などを加筆や削除していた。添付された写真もほとんどが同じだった。

 震災復興をテーマにしたフォーラムの感想では「放射能汚染が残っており、風評被害がひどかったこと、避難の現状など、身につまされる話に心が痛んだ」と記され、「痛んだ」の部分を「痛みました」と変えただけの市議も含めて8人全員が同じ内容だった。

 松江市は全国で唯一、原発が立地する県庁所在地で、市議の一人は「パソコンが苦手な市議がおり、あしき慣例だった。せっかく行ったんだから(原発事故を)島根原発に置き換えて考えるべきだった」としている。だが一方で、「みんなで同じ物を見ているのだから、(報告書が)同じでなぜいけないのか」と答えた市議もいた。

 松政クラブ幹事長の森脇勇人市議は「反省している。報告書は自分で書くよう徹底したい」と話した。【長宗拓弥、藤田愛夏】

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