「トランプ・タワー」内で制限エリアに入るのを警備に止められたマイケル・ムーア氏(右)=米ニューヨークで12日、AP
【ニューヨーク國枝すみれ】米映画監督のマイケル・ムーア氏は12日、ニューヨーク市マンハッタンで行われたデモで、米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏(70)の大統領就任に抵抗するよう呼びかけた。「反トランプ」のデモは選挙から4日たっても全米各地で続いている。
トランプ氏を「人種差別主義者」などと批判してきたムーア氏は、トランプ氏が住む高層ビル「トランプタワー」の前で携帯電話を使ってライブ中継。「我々の仕事はトランプ氏を大統領に就任させないことだ」と述べた。大統領選挙人に対し12月19日の正式投票でトランプ氏に投票しないよう呼びかける、という。また来年1月20日の就任式は首都ワシントンをデモ隊が埋め尽くすだろう、と話した。
米大統領選は、州ごとに獲得した選挙人の合計が過半数の270人以上となった候補が勝者となる。しかし、今回は選挙人数で負けたクリントン氏が総得票数ではトランプ氏を上回ったため、選挙制度そのものに対する批判が高まっている。
中西部ミシガン州出身で白人労働者階級の心理を知り尽くすムーア氏は、今年7月にトランプ氏の勝利を予測していた。選挙後の11日にはMSNBCテレビで、トランプ氏は弾劾されるか辞任するだろうと述べている。
ムーア氏は12日、トランプタワー内に入り、トランプ氏に面会を求めたが止められ、「トランプさん、私はここにいる。話をしたい」と書いたメモを残して立ち去った。