大統領選での敗北を受け入れる演説を終え、壇上から降りるヒラリー・クリントン氏=米ニューヨークで9日、AP
【ロサンゼルス長野宏美】8日の米大統領選で敗れたヒラリー・クリントン前国務長官(69)は12日、敗因について私用メール問題に関する米連邦捜査局(FBI)の捜査再開決定が影響したとの見方を示した。約30分にわたる支援者との電話会議で明かした。
米メディアによると、クリントン氏は「勝てなかった理由はたくさんある」としながらも、FBIのコミー長官が投開票日の11日前に捜査再開を決めた書簡を議会に送ったことが、「私たちの勢いを止めた」と批判した。
コミー長官は今月6日に訴追見送りの方針を明らかにしたが、クリントン氏は「トランプ氏の支持者を投票に駆り立てる動機付けになった」と語り、かえって打撃になったという見方を示した。
クリントン氏は「(10月19日の)3回目の討論会を終えた後、とても良い感触だった」と語り、FBIの捜査再開までは勝っていたと指摘した。
また、悲しげに笑って「胸が張り裂ける思いだ」と心情を明かし、「皆さんが一生懸命に働いてくれたので、この敗北はものすごくつらい」と語ったという。