メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

生演奏も著作権法違反 静岡の飲食店提訴

JASRACの浅石道夫理事長

 日本音楽著作権協会(JASRAC)静岡支部は11日、利用許諾契約を結ぶことなく、生演奏とカラオケで同協会が管理する音楽を無断利用したとして、飲食店「Music Lounge SUQSUQ(ミュージックラウンジスクスク)」(静岡市葵区)の経営者らに計480万8100円の賠償を求め、静岡地裁に提訴した。生演奏を行う事業者に対する著作権差し止めと損害賠償を求める訴訟は県内で初めて。【古川幸奈】

 訴状によると、同店は同協会と利用契約を結ばないまま2008年6月に開店し、著作権料の督促にも応じなかった。このため、同協会が14年9月に静岡地裁に侵害を差し止める仮処分の申し立てを行った。その後同店は廃業し仮処分は解除されたが、無許諾利用期間の使用料が支払われることはなかった。

 また、同店は15年に廃業と開業を繰り返し、生演奏やカラオケなどでの音楽の無断利用を続けた。協会の桂野力静岡支部長は「廃業して仮処分を解除し、経営名義などを変えて責任から逃れようとした悪質なケース。過去の分も支払って営業してほしい」と話した。同店は「協会側に支払う意思を伝えたが、その後、具体的な指示がない。突然、提訴され驚いている」としている。

営利目的なら利用料は必要

 同協会は、著作者と利用者の間に入って使用料の手続きをする著作権管理事業者の最大手。クラシックやジャズ、歌謡曲など国内外の約350万曲を管理している。CDや放送、カラオケなどの利用に伴う徴収額は2015年度で約1116億円にのぼる。

 生演奏を行う飲食店は、座席数と利用客1人当たりの平均最低単価、音楽の利用時間から計算された利用料を同協会に支払う必要がある。チケットなどが配布される営利目的の野外コンサートなども同様の措置が求められる。一方で、路上などでの弾き語りなど営利目的ではない生演奏は、著作権法で自由利用が認められている。

 著作権の保護期間は50年だが、第二次世界大戦(1939~45年)中に米英などの連合国側から発表された曲は60年になる。例えば、ベートーベンなどの名曲は使用料を払う必要はなく、自由に演奏できる。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 田中将大 「自宅はトランプタワーじゃない!」とツイート
  2. トランプ氏 亀井静香議員との会談中止
  3. 米大統領選 NY「トランプタワー」 どんなところか
  4. 大麻所持 元女優、高樹沙耶容疑者ら3人を現行犯逮捕
  5. 広島電鉄 バスで眠った男性残し車庫に 乗客窓から車外に

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]