20代でも物忘れしてしまう?若年性健忘症の予防と対処法について
2016/11/09
最近、物忘れが激しくなっていませんか?言おうと思ったことを忘れたり、人の名前を覚えられなかったりなどの経験がある人は多いでしょう。少しくらいなら問題ありませんが、頻繁に続くようであれば注意が必要です。
年を取ると忘れっぽくなるのは仕方ありませんが、20~30代の若者でも物忘れがひどい人が増えているようです。これを放置していると、認知症やアルツハイマー病に発展してしまうかもしれません。
なので、早い段階で対処できるようにしましょう。
目次
あなたは大丈夫?物忘れ度をチェックしてみよう
自分では認識していなくても、頻繁に物忘れをしてしまっているかもしれません。以下の項目を見て、当てはまるものをチェックしてみてください。
- 何度も同じ話をしてしまう
- 人やモノの名前を忘れてしまう
- 簡単な漢字が書けない
- モノをしまった場所を忘れる
- やろうとしたことを忘れる
- モノをなくしたり、置き忘れたりする
- 簡単な計算を間違える
- 仕事でうっかりミスをしてしまう
- 「あれ」「それ」といった言葉をよく使う
- 服装や外見を気にしなくなった
- 外出するのが面倒に感じる
これらのリストで、該当するものが6個以上なら注意が必要ですね。若者で物忘れがひどい人は、「若年性健忘症」の可能性があります。
インターネットやゲームが普及したおかげで、脳を使って考える機会が大幅に減りました。なので、脳細胞が劣化してしまい、健忘症の症状が出てしまうわけですね。
軽い物忘れで済むことが多いですが、認知症のように記憶自体が無くなってしまうこともあります。仕事や日常生活に支障が出る場合がありますから、十分に気を付けるようにしましょう。
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若年性健忘症になってしまう原因とは?
若年性健忘症とは、20~30代の若い世代に見られる健忘症の症状です。聞いたことをすぐに忘れてしまったり、理解力が大幅に低下したりしてしまいます。
自分の頭で考える機会が少なかったり、強いストレスを感じたりすることで、思考力が低下してしまって起きるようです。これが進行すると、相手の話を理解できなくなったり、自分の言いたいことも伝えられなくなってしまうでしょう。
主な原因としては、以下のようなものが考えられます。
ネットに頼りすぎる
最近だと、パソコンやスマホで何でも検索することができますよね。分からないことをすぐに検索する癖がついてしまうと、自分で考える習慣が無くなってしまいます。考えたり思い出したりといったことをしないと、脳はどんどん老化していくわけです。
人間の脳内には、多くの神経回路が存在しています。物事を考えたり、過去の記憶を思い出したりすると、神経回路がどんどん太くなっていきます。この神経は毎日使わないと細くなる一方なので、自分の頭で考える癖を付けるようにしてください。
誰かの悪口を言う
仕事や学校でストレスが溜まっていると、つい誰かの悪口を言ってしまいがちですよね。愚痴をこぼすことでストレスの発散になると思われがちですが、人の悪口を言ってしまうと脳にストレスが溜まる原因となる場合があります。
人間の脳は、主語を無視して言葉自体を認識するようになっています。つまり、「あの上司ウザイよね」と言ったとしたら、「ウザイ」という言葉だけが認識されてしまうわけです。なので、自分が攻撃されたと誤認してしまい、ストレスになるわけですね。
だから、脳を老化させないために、他人の悪口は控えた方が良いでしょう。
運動不足
日頃から運動をしていないと、筋肉が衰えてしまって新陳代謝が落ちてしまいます。それは、脳にとっても良くないことです。脳の血流が低下してしまうと、十分な栄養素が送られなくなるわけです。
また、体内の活性酸素も増えてしまうため、脳にダメージを与えてしまいます。なので、定期的に体を動かす習慣を付けるようにしましょう。そうすることで、脳が若々しい状態を維持することができるはずです。
ルーティンワーク
毎日、家と職場の往復しかしていないなら、新しい刺激を受けることがありません。すると、脳が慣れてしまって、活動が鈍ってしまいます。同じ行動ばかり続けていると、思考停止状態になるということですね。
なので、通勤ルートを変えてみるとか、新しい趣味にチャレンジしてみるなど、生活に変化を与えてみてください。新しい行動をすることで脳が刺激を受けるので、活発に働くようになるでしょう。
物忘れの防止にはワーキングメモリーが鍵!
人間の記憶には、「長期記憶」と「短期記憶」があります。
- 長期記憶
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長い期間に渡って保持されている記憶。子供の頃の思い出、家の住所、友達の名前など。
- 短期記憶
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一時的に保持している記憶で、複数の作業を同時進行するときに使うもの。「ワーキングメモリー」と呼ばれる。
若年性健忘症を防ぐためには、脳を活性化させることが欠かせません。そこで重要なのが、短期記憶(ワーキングメモリー)です。
ワーキングメモリーとは、作業中に一時的に保持される記憶のことです。たとえば、相手の話を聞いてメモをするときには、一時的に会話の内容を記憶しなくてはいけません。この一時的な記憶のことを、ワーキングメモリーを呼びます。
相手の話を聞いて自分の意見を言うときにも、ワーキングメモリーは使われますね。
ワーキングメモリーは20歳前後をピークとして、年齢とともに衰えていくと言われています。普段から使っていなければ、脳の老化スピードが速まってしまって物忘れが激しくなっていくわけです。
なので、若い人でも脳を使わないことで、若年性健忘症になってしまうということですね。これを防ぐためには、日頃から脳を使うことを意識して、ワーキングメモリーを鍛えなくてはいけません。
生活習慣を見直すことで、脳をスキルアップさせることができるでしょう。
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脳を刺激してワーキングメモリーを鍛える5つの方法
料理をする
家で自炊をすることで、脳を活性化させることができます。「お湯を沸かしてから肉を切って・・・」などと手順を考えることは、ワーキングメモリーを使うことになります。効率性を高めるために試行錯誤することで、脳の前頭葉が活発に働いて物忘れの防止になるはずです。
なので、料理が好きな人は、どんどんレパートリーを増やすようにしましょう。同じ料理ばかりだとルーティンワークになってしまいますから、次々と新しいレシピに挑戦することが大切ですね。
栄養バランスを考えながら自炊をすれば、健康にも良いですよ。
脳に良い栄養素を摂る
先ほどの料理をするにも繋がりますが、食生活が乱れている人は脳に十分な栄養が行き渡りません。すると、記憶力や集中力が下がってしまって、物忘れの原因となってしまうわけですね。エネルギー不足の状態であれば、脳の働きも半減してしまうわけです。
だから、ちゃんとした食事を心がけて、脳に栄養を送るようにしましょう。脳に良い栄養素としては、以下のようなものがあります。
- レシチン
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大豆に含まれるレシチンには、記憶力の向上に効果があります。脳内の神経伝達がスムーズになりますから、物忘れなどを防ぐことができますね。納豆や豆腐などは、タンパク質も豊富ですから積極的に食べるようにしましょう。
- DHA
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脳内の140億の神経細胞の中には、DHAという成分が含まれています。脳内のDHAが豊富にある状態だと、神経伝達物質が大量に生産されて思考力を高めることができるわけです。
年齢とともにDHAの数は減ってしまうので、食事から摂取しないといけません。魚に多く含まれるので、サバやイワシ、サンマなどを食べるようにしましょう。
- アスタキサンチン
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アスタキサンチンとは、海の藻に含まれる色素成分のことです。酸化による脳の老化を防ぐ効果があるので、脳機能を高めることができます。
記憶力の向上に効果がありますから、認知症の予防として推奨している医師もいるくらいです。海藻や魚介類に含まれていますから、積極的に食べるようにしてください。
- イチョウ葉エキス
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銀杏の葉からエキスを抽出したもので、脳の血流を改善する効果があります。血流が良くなれば、酸素や栄養が送られて脳を活性化させることができるわけです。
また、活性酸素を除去して、神経細胞の損傷を防ぐ役割もありますね。サプリメントなどから、摂取するようにしましょう。
- レスベラトロール
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脳内の活性酸素の発生を抑え、神経細胞を守る働きがあります。また、神経細胞の伝達を促進するため、脳を活発に働かせる効果もありますね。アルツハイマーの予防にも、効果が期待されている栄養素です。
赤ワインやブドウジュース、アーモンドの皮などに多く含まれています。
毎日の食生活で意識をすれば、脳の老化を抑えることができるでしょう。物忘れがひどい人は、しっかりと心がけるようにしてください。
有酸素運動をする
運動をすることで、脳への血流を増やすことができます。なので、多くの栄養や酸素を脳に供給することができ、脳を活発にすることができるわけです。脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質が分泌されて、神経細胞の伝達を高めてくれます。
運動すると、脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質が脳の中でさかんに分泌されます。このBDNFが、脳の神経細胞(ニューロン)や、脳に栄養を送る血管の形成を促すことが明らかになりました
心拍数を一定して高める運動が効果的なので、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がおススメです。軽く汗をかく程度の運動量で、30分ほど続けると良いでしょう。ハードすぎる運動だと長時間続けられませんから、緩やかな運動にしてください。
質の良い睡眠を取る
睡眠中には、成長ホルモンが大量に分泌されます。そして、成長ホルモンは、記憶力や認識力を高める働きがあります。なので、しっかりと睡眠時間を確保することで、成長ホルモンの分泌を促すことが効果的です。
睡眠不足が続いてしまうと、集中力の低下や情緒不安定になったりします。脳に悪影響を与えてしまいますから、仕事が急がしくても睡眠時間は確保するようにしましょう。仕事の効率を高めることにもなるので、よく寝るということは大切です。
五感と感情を使う
好きな音楽を聴いたり、旅行へ行ったり、映画を見たりなど、五感をフル活用して何かを感じるようにしてください。また、喜怒哀楽をしっかりと表現して、感情を表に出すということも大切です。
五感と感情を積極的に使うことで、脳を活発にすることができます。他にも、恋愛をすることも効果的ですね。ときめきを感じることができれば、脳を若返らせることができるはずです。色々な経験をして、新しい刺激を得ることを心掛けてください。
以上、脳の老化の原因と防止方法を紹介しました。脳を活発に働かせることができれば、いつまでも若々しく行動できるようになります。思考力や判断力が高くなりますから、仕事の面でも役に立つことが多いはずです。
photo credit: Maintaining Brain Health|Lego splitting|human brain