火災が起きた明治神宮外苑のイベント会場=東京都新宿区で2016年11月6日午後8時10分、本社ヘリから後藤由耶撮影
展示物の中で遊んでいた最中、助けようとした父親がやけど
6日午後5時20分ごろ、東京都新宿区霞ケ丘町の明治神宮外苑で開催されていたイベント「TOKYO DESIGN WEEK(東京デザインウイーク)2016」の会場で、ジャングルジムのような木製の展示物が燃え、中で遊んでいた港区港南4の幼稚園児、佐伯健仁(けんと)君(5)が全身にやけどを負い、搬送先の病院で死亡が確認された。焼死とみられる。警視庁四谷署は出火の経緯や原因を調べている。
健仁君を助けようとした父親(44)と、目撃者の40代の男性も顔などにやけどを負った。いずれも軽傷という。
燃えた展示物は、学校作品展というエリアに設置された体験型の展示物。中に入って遊べるようになっており、当時、他の子どもも中で遊んでいた。火の回りが早く、健仁君だけが逃げ遅れたとみられる。
同署などによると、燃えた展示物は日本工業大工学部建築学科の学生を中心につくるクラブ「新建築デザイン研究会」が制作した。木製の枠を積み上げたジャングルジム状の作品で、高さ約3メートル、幅約5メートル。中におがくずを入れ、複数のライトで照らしていた。同署はライトの熱でおがくずが発火し、ジャングルジムに燃え移った可能性があるとみている。
現場は、明治神宮外苑内にある軟式野球場の一角。東京デザインウイーク2016は10月26日から今月7日まで開催予定で、出火当時は現代アートの展示や音楽の演奏などを楽しむ多くの人でにぎわっていた。昨年のイベントには約10万人が訪れたという。【神保圭作、深津誠】