米大統領選 投票日前の最後の週末 両候補が激しい戦い

米大統領選 投票日前の最後の週末 両候補が激しい戦い
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アメリカ大統領選挙は投票日を前に最後の週末を迎え、追い上げる共和党のトランプ候補が精力的に4つの州を回る一方、民主党のクリントン候補は選挙人の数が多いフロリダ州で支持を訴え、激しい戦いを繰り広げています。
アメリカ大統領選挙は今月8日の投票日を前に最後の週末を迎え、トランプ氏は5日、接戦州の南部ノースカロライナ州の空港に専用機で降り立ちました。
そして、「クリントン氏は歴代で最も腐敗した候補者だ。当選すれば、前例のない危機が生まれる」と批判し、同行したメラニア夫人も「夫を大統領にするため、投票に行ってください」と呼びかけました。

全米の各種世論調査の支持率の平均値は、クリントン氏が46.6%、トランプ氏が44.9%と1.7ポイント差で、選挙人の数では、クリントン氏が優勢な州の選挙人の合計は216人、トランプ氏は164人となっています。追い上げるトランプ氏はこの日、4つの接戦州を回り、精力的な選挙運動を行っています。

これに対し、クリントン氏は接戦州の南部フロリダ州に入り、「国務長官として女性や同性愛者の権利のため112か国を飛び回った。すべての人のために大統領になりたい」と支持を訴えました。フロリダ州には人気ロック歌手のボン・ジョビさんも応援に入り、クリントン氏としては、選挙人の数が多いフロリダ州を制してトランプ氏を引き離したい狙いで、両候補は激しい戦いを繰り広げています。

専門家「メール問題の影響は限定的」

アメリカ大統領選挙に詳しいアメリカのシンクタンク、ブルッキングス研究所のイレーン・カマルク上級研究員は、大統領選挙の見通しについて、「クリントン氏とトランプ氏の戦いに当初から大きな変化はない。クリントン氏がトランプ氏をわずかにリードする状況はことしの初めから変わっていない」と述べました。

そのうえで、「選挙人の数を争う制度が、民主党に有利にできている。全米で最も多い選挙人を抱えるカリフォルニア州は、現在は民主党が押さえており、55人の選挙人を最初からあてにすることができる。共和党にとっては、選挙人の数で勝利することは一段と難しくなっている」と述べて、カマルク氏は、このまま行けば、クリントン氏が次の大統領に選ばれるという見通しを示しました。

そのうえで、FBI=連邦捜査局が、民主党のクリントン候補のメールの再捜査を明らかにした時期からクリントン氏の支持率に影響も出ていることについて、「公にされた当初は有権者の間で驚きや懸念の声も出た。しかしクリントン陣営は、捜査は政治的な動機に基づいているとか、調べられるメールはすでに捜査したものと同じだとか、直ちに反論し効果をあげている」と述べ、クリントン氏にとって影響は限定的だという見方を示しました。