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彬子さま 学究の道「祖父いたから」

彬子さま

 100歳で亡くなられた三笠宮さまの葬儀は、孫の彬子(あきこ)さま(34)が喪主代理を務め、喪主の三笠宮妃百合子さま(93)を支えられている。彬子さまは女性皇族として初めて博士号を取得し、学者として日本美術史の研究を続ける。これまでの毎日新聞の取材に「学者である祖父の存在があったからこそ今の私がある。このことを忘れたことはありません」と三笠宮さまへの尊敬の思いを語っていた。

 彬子さまは、三笠宮さまの長男で「ヒゲの殿下」として知られた故・寛仁さまの長女。学習院初等科時代から、疑問が浮かぶと同じ赤坂御用地(東京都港区)内に暮らす三笠宮さまの自宅を訪れたことがあったという。

 古代オリエント史の学者だった三笠宮さまの邸内には、百科事典などがずらりと並んでいた。三笠宮さまは彬子さまの質問にすぐに答えを示さず、「この本にはこう書いているが別の事典ではこうだよ」と話し、「資料を読んだうえであなたの答えを見つけなさい」と助言したという。彬子さまは「一つの資料だけで答えを導いてはいけないという教えだったと思う」と振り返った。

 最年長の孫である彬子さまは学究の道に進んだ。彬子さまが英国・オックスフォード大学に留学し、博士号を取得すると、三笠宮さまから「神武以来の快挙だ」と祝福されたという。彬子さまは「学問の厳しさを知っておられる祖父からの最高のほめ言葉でした」と語る。

 三笠宮さまは「常に新しいことに興味を持たれる方」だったという。高齢になって長年の趣味だった社交ダンスから離れると、日本舞踊に取り組んだ。80歳ごろからはワープロにも挑戦した。

 彬子さまは2013年、三笠宮さまが名誉総裁を務めていた日本・トルコ協会の総裁を寛仁さまから引き継いだ。三笠宮さまからは「本当にありがとう。よろしく頼むよ」と電話で励まされたという。彬子さまは「忘れられない最初で最後の祖父からの電話でした」と振り返っていた。彬子さまは現在、京都産業大学日本文化研究所などで研究活動を続けている。【長谷川豊】

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