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メール捜査再開に波紋 FBIに「妨害」批判

大統領選挙の遊説先でメール問題を巡るFBIの捜査再開について語るヒラリー・クリントン氏=米南部フロリダ州デイトナビーチで2016年10月29日、AP

 【ワシントン西田進一郎】米大統領選民主党候補のヒラリー・クリントン氏(69)の私用メール問題で、連邦捜査局(FBI)のコミー長官が捜査再開を議会に通知したことを巡り波紋が広がっている。超党派の元司法省高官らが同省の方針を逸脱したと共同声明で非難し、法律に違反して選挙に影響を与えようとした可能性も指摘されている。投開票日を1週間後に控え「場外戦」が激化している。

 クリントン氏は国務長官時代に公務で私用メールを使い、機密保持が不十分だと批判を浴びている。捜査再開の通知は10月28日と投開票日直前で、メールの内容や重要性が不明のため、「疑惑」が独り歩きしている。

 司法省元高官や連邦検察の経験者計約100人は30日、書簡を発表した。この中で、FBIを所管する司法省には、進行中の捜査への言及は控え、選挙が近い時は影響を避けるために慎重な対応をする方針があると指摘。コミー長官の通知はこの方針に反し、「情報不足による臆測を生んでいる」と批判して、捜査状況の説明を求めた。超党派の元州司法長官約50人も「深刻な間違い」とする同趣旨の書簡を出した。

 民主党上院トップのリード院内総務は「選挙に影響を与えるため公的な権限を利用することを禁じた法に違反する可能性がある」などと非難する書簡をコミー長官に送った。

 アーネスト大統領報道官は31日の記者会見で、コミー長官の判断について、特定の政党に便宜を図ろうとしている根拠はなく、意図的に選挙に介入したとの批判はあたらないとの考えを示した。

 司法省は同日、捜査の詳細開示を求めていた民主党の議員らに書簡を送り「できる限り迅速に適切な措置を取る」と説明した。

影響は不透明

 捜査再開の通知が選挙情勢にどう影響しているのかは不透明だ。NBCテレビなどが10月31日に発表したインターネットを通じた世論調査結果によると、この問題を「論じるべき重要なもの」と考える人は55%で、「余計なもの」とする44%を上回った。

 ただ、「第3党」と呼ばれる少数政党の候補2人を合わせた場合の支持率は、捜査再開が公になった後の29、30両日の調査でクリントン氏が47%、トランプ氏が41%。24日から30日の調査全体と両候補の支持率は同じで、NBCは「事実上変化がない」と分析した。

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