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私用メール捜査再開に猛反発

米人気歌手ジェニファー・ロペスさんらのコンサートで聴衆に支持を訴えるヒラリー・クリントン氏=米フロリダ州で29日、AP

 【ワシントン西田進一郎】米大統領選の民主党、ヒラリー・クリントン候補(69)の私用メール問題で、米ワシントン・ポスト紙(電子版)などは29日、連邦捜査局(FBI)のコミー長官がFBIを所管する司法省高官らの反対を押し切って捜査再開を議会に報告したと報じた。投開票日直前の報告はクリントン氏優勢とみられる選挙情勢を変える可能性があり、クリントン氏側が猛反発している。

 ポスト紙によると、議会への報告前日の27日、コミー氏が捜査再開を議会に報告する意向であるとFBI当局者が司法省側に伝えた。これに対し、司法省高官らは「進行中の捜査についてはコメントしない」「選挙戦に影響を与えるとみられるような対応はしない」との立場を説明。だが、コミー氏は反対を踏まえたうえで、独自の決定として議会に報告することを決めたという。

 コミー氏はFBI職員への説明で、議会の公聴会で「宣誓」をしたうえで「捜査が完結した」と述べてきた以上、捜査に関連すると思われるメールの存在を把握したという最新の状況を知らせる義務を感じたなどと説明したという。

 過去の大統領選でも、投票直前の10月以降に選挙戦の情勢に大きな影響を与える出来事「オクトーバー・サプライズ」が起きたことがある。今回は、既に10月上旬に共和党ドナルド・トランプ候補(70)の過去の女性蔑視発言が暴露され、支持率などに大きな影響を与えた。今度は逆に、FBIの捜査再開報告というクリントン氏にとって悪い「オクトーバー・サプライズ」になる可能性がある。

 クリントン氏は29日に南部フロリダ州で演説し、「このようなことが起きるのはとても不思議なだけでなく、前例もなく、(国民を)ひどく困惑させるものだ」とコミー氏の対応を批判。FBIに詳しい説明をするよう求めた。一方、トランプ氏は西部コロラド州での集会で、クリントン氏を非難し、「最終的に正義が遂行されることを皆が強く望んでいる」などと述べ、さらにクリントン氏への批判を強める姿勢を鮮明にした。

 【ことば】クリントン氏のメール問題

 クリントン氏が国務長官の在任中に、私用アドレスで機密情報を含む公務上のメールをやりとりしていた問題。出馬表明の約1カ月前の2015年3月に発覚した。連邦捜査局(FBI)は16年7月、機密の取り扱いに不適切な点がなかったかクリントン氏から事情聴取。FBIは意図的な取り扱いの誤りや捜査妨害がないため犯罪として訴追するのは相当ではないと判断したが、コミー長官は「極めて不注意だった」と批判していた。米司法省はFBIの勧告を受け、捜査の終結を発表していた。

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