民主党の集会で聴衆に手を振るミシェル・オバマ大統領夫人(左)とヒラリー・クリントン候補=南部ノースカロライナ州で27日、AP
オバマ大統領夫人がクリントン候補激励
【ワシントン西田進一郎】ミシェル・オバマ米大統領夫人(52)は27日、大統領選の民主党ヒラリー・クリントン候補(69)の集会で演説に立った。ミシェルさんは「我々は、女性に敬意を表し、愛と尊敬に値する平等な人間だと子供たちに教える大統領が必要だ」と語り、女性蔑視発言などの共和党ドナルド・トランプ候補(70)を批判して、クリントン氏への投票を呼びかけた。今回の大統領選で2人の「ファーストレディー」が共演するのは初めて。
ミシェルさんはクリントン氏の選挙CMに出演し、激戦州などで繰り返し応援演説に立っている。世論調査会社「ピュー・リサーチ・センター」の8月の調査によると、好感度は64%で、クリントン氏(39%)やトランプ氏(32%)を大きく上回る。群を抜く人気を誇るミシェルさんが、激戦州での勝利を目指すクリントン氏の終盤の「切り札」になっている形だ。
現職の大統領夫人が後継候補の選挙活動に積極的に関わるのは前例のないことだが、ミシェルさんは「そうかもしれないが、今回が前例のない選挙であることも事実だ。だから来たのだ」と説明。今回の選挙を「共和党対民主党」にとどまらず、「子どもたちや国を形作る人を誰にするかを問うものだ」と意義付け、女性への対応や気質、「成熟」など大統領の必要要素を挙げて、クリントン氏がふさわしいと強調した。
さらに「(米国は)ハワイから来た、シングルマザーの息子が大統領になれる国だ」とアフリカ系初のオバマ大統領の誕生に触れたうえで、「(両親が離婚し、親せきに預けられた)孤児の娘(であるクリントン氏)が、最も高くて硬い『(女性の昇進を阻む)ガラスの天井』を破り、大統領になれる国だ」と語りかけ、初の女性大統領を誕生させようと聴衆に呼びかけた。