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「物価2%目標」先送り検討 黒田総裁下で達成困難

衆院予算委員会に参考人として出席し、質問に答える黒田東彦日銀総裁=国会内で2016年9月30日、藤井太郎撮影

 日銀は、現在「2017年度中」としている2%の物価上昇率目標の達成時期を、18年度以降に先送りする方向で検討を始めた。足元の物価上昇率がマイナス圏で低迷しており、今後上昇に転じても早期の目標到達は難しいと見ているため。31日〜11月1日に開く金融政策決定会合での議論を経て、決定する。18年4月に任期を終える黒田東彦総裁の在任中の目標達成は、困難な情勢となった。

 日銀は7月、四半期に1度公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、17年度の物価上昇率の見通しを「前年度比1.7%(政策委員の予測の中央値)」とした上で、2%の達成時期を「17年度中と見られるが、不確実性は大きい」としていた。

 次回会合後に公表する展望リポートで日銀は、「原油価格の持ち直しに伴って、物価は2%に向けて上昇率を高めていく」との見解を維持する一方、足元の低迷を踏まえ、17年度の物価見通しを1%台前半に下方修正する公算が大きい。これを受け、目標達成時期を、18年度以降に先送りする方向で検討する。

 黒田総裁は21日の衆院財務金融委員会で、2%目標の達成時期について「修正もあり得ると思っている」と述べ、先送りの可能性を示唆。自らの任期中の目標達成については、「(任期と)物価上昇率がどうなるかは特別の関係は無い」とこだわらない考えを示した。

 日銀は9月の決定会合で、金融政策の軸足を、国債などの購入量から、金利の操作に転換し、市場では2%目標達成の長期化に備えた修正と見られていた。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「2%という目標は高すぎる上に、金融政策だけで目標を達成しようというのがそもそも無理だ」として、目標達成は今後も困難と指摘する。【安藤大介】

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