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 東武鉄道は18日、5月に東上線で起きた脱線事故について、台車の亀裂が原因と推定する中間報告を国土交通省に提出した。亀裂は少なくとも3年以上前からあったとみられるが、この部分には1989年の製造以来、電流による亀裂点検をしていなかった。

 脱線は5月18日、成増発池袋行き上り普通電車(10両編成)が、東京都板橋区の中板橋駅を出た直後に起きた。各車両には、車輪が四つついた台車が前後に二つある。そのうち、先頭から5両目後方の台車の車輪四つが最大10センチ脱線した。乗客約400人にけがはなかったが、遅れなどで約18万人に影響が出た。

 台車には、車両の重さを車輪に均一に伝える「側(がわ)ばり」と呼ばれる鉄製のはりが左右に2本ついている。中間報告によると、脱線した台車は、はりの1カ所に縦横ともに約18センチの亀裂が入り、断裂しかかっていた。このため、亀裂近くの車輪の荷重が少なく、浮き上がり、他の車輪もつられて脱線したとみられる。

 一方、レールなどに不具合はなかったとしている。

 東武鉄道は国交省令により、台…

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