黒石市長が会見 写真の入賞取り消し撤回 改めて市長賞贈る

黒石市長が会見 写真の入賞取り消し撤回 改めて市長賞贈る
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青森県黒石市の夏祭りをテーマにした写真コンテストで、いじめを苦に自殺したと見られる女子中学生を写した作品が入賞を取り消された問題で、主催者側が記者会見し、黒石市の高樋憲市長は賞の取り消しを撤回したうえで、改めて「黒石市長賞」を贈ると発表しました。
ことし8月に青森県黒石市で行われた夏祭りの写真コンテストで、舞台で踊る女性を写した作品が最高の「黒石市長賞」に決まりましたが、その後、いじめを苦に自殺したと見られている青森市の中学2年の葛西りまさん(13)とわかり、主催者側が「コンテストの趣旨にそぐわない」などの理由で賞を取り消しました。

これについて、主催者側が19日午後に記者会見を開き、黒石市の高樋憲市長は、「生徒に配慮して取り消しをしたが、氏名や写真などが公表されたことから、応募者とご遺族のご了承を得たうえで改めて市長賞を授与させていただきたい。慎重さを欠く部分があり家族に深くおわび申し上げます」と述べ、賞の取り消しを撤回したうえで、「黒石市長賞」を改めて贈ると発表しました。

黒石市によりますと、今回の問題を受け、市役所には19日午後3時までにおよそ300件の電話と1000件以上のメールが寄せられているということで、そのほとんどが主催者側の対応への苦情や批判だということです。

父親「いじめさえなければ」

入賞の取り消しが撤回されたことについて、葛西りまさんの父親の剛さん(38)は、記者団に対し、「いじめさえなければ娘は何事もなく賞をもらって喜んでいたと思う。さみしさと悲しさがこみ上げてきて、いじめをなくしたいという娘の願いをかなえたいと改めて思った」と涙ながらに話しました。
一方、主催者側については、「同じ事を繰り返し述べ、言い訳しているように感じる」と不信感を示しました。

いじめ防止対策審議会が調査進める

いじめを苦に自殺したと見られている青森市の中学2年の葛西りまさんについて、医師や弁護士など5人の専門家でつくる「いじめ防止対策審議会」は、先月から、通っていた中学校の全校生徒にアンケートを行うほか、複数の生徒から話しを聞くなど調査を進めています。