視覚障害者のホーム転落防止へ鉄道各社に対策指示
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今月16日、大阪府の私鉄の駅で視覚障害のある男性がホームから転落し、電車にはねられて死亡するなど、視覚障害者の事故が相次いでいることを受け、国土交通省は18日、緊急の会議を開き、鉄道各社に対しホームドアの設置など対策を急ぐよう指示しました。
ことし8月、東京メトロ銀座線の駅のホームから視覚障害のある男性が転落して死亡した事故を受け、国土交通省は鉄道事業者と安全対策を検討しています。
こうした中、今月16日には、大阪・柏原市の近鉄大阪線の河内国分駅で視覚障害のある男性がホームから転落し、特急電車にはねられて死亡する事故が起きました。
これを受け、18日、国土交通省は鉄道事業者を集めて緊急の会議を開き、ホームドアや点字ブロックの設置など対策を急ぐよう指示しました。そのうえで、視覚障害者の団体などから、ハード面の整備だけでなく、駅員や乗客からの積極的な声かけなど、ソフト面の対策を求める意見が出されていることを説明しました。
これに対し鉄道事業者からは、ホームドアの設置には時間がかかるので、乗り降りする場所以外には固定の柵の設置を考えるべきだとか、弱視の人でもホームの端の見分けがつきやすいよう、模様をつけることが効果的ではないかなどといった意見が出されていました。
国土交通省はことし中に対策をまとめ、改めて鉄道各社に周知することにしています。
こうした中、今月16日には、大阪・柏原市の近鉄大阪線の河内国分駅で視覚障害のある男性がホームから転落し、特急電車にはねられて死亡する事故が起きました。
これを受け、18日、国土交通省は鉄道事業者を集めて緊急の会議を開き、ホームドアや点字ブロックの設置など対策を急ぐよう指示しました。そのうえで、視覚障害者の団体などから、ハード面の整備だけでなく、駅員や乗客からの積極的な声かけなど、ソフト面の対策を求める意見が出されていることを説明しました。
これに対し鉄道事業者からは、ホームドアの設置には時間がかかるので、乗り降りする場所以外には固定の柵の設置を考えるべきだとか、弱視の人でもホームの端の見分けがつきやすいよう、模様をつけることが効果的ではないかなどといった意見が出されていました。
国土交通省はことし中に対策をまとめ、改めて鉄道各社に周知することにしています。
専門家「周囲の『止まって』の声かけも有効」
視覚障害者が駅のホームから転落する事故が後を絶たない中、事故の原因や対策を分析している専門家は、防止策として必要なのはホームドアの設置だが、周囲の人が「止まって」などと声をかけることも有効だと指摘しています。
視覚障害者の駅のホームからの転落事故を分析しているのは、成蹊大学理工学部の大倉元宏教授の研究グループです。
ホームから転落した13人の視覚障害者から直接聞き取りをしたところ、使い慣れていない駅だったり、ホームで人にぶつかったりして、方向感覚を失い、誤って線路の方向に歩いてしまったと答えた人が10人いたということです。
大倉教授は、転落防止には「ホームドアを設置することが必要だ」と話していますが、高額な設置費用などで整備が進んでいないのが現状だと指摘しています。
このため大倉教授は、ホームドアの設置に時間がかかったり、設置できなかったりする場合は、対策として、視覚障害者が方向感覚を失わないように、ホームの中央にも点字ブロックを設置して安全な動線を示し、この動線上に時刻表などの障害物があれば、別の場所に移すべきだとしています。
さらに、車両のドアの部分だけ間の空いた固定柵をホームに設置することも、事故を防ぐ効果があるとしています。
また、駅員や駅を利用する人に対しては、危ないと感じたら、「後ろに下がって」と方向を指示するのではなく、「止まって」などと危険を回避する具体的な行動を指示することが有効だと話しています。
大倉教授は「視覚障害者自身の注意も大切だが、周囲の人も、危ないと思ったときは遠慮せずに声をかけてほしい」と話しています。
視覚障害者の駅のホームからの転落事故を分析しているのは、成蹊大学理工学部の大倉元宏教授の研究グループです。
ホームから転落した13人の視覚障害者から直接聞き取りをしたところ、使い慣れていない駅だったり、ホームで人にぶつかったりして、方向感覚を失い、誤って線路の方向に歩いてしまったと答えた人が10人いたということです。
大倉教授は、転落防止には「ホームドアを設置することが必要だ」と話していますが、高額な設置費用などで整備が進んでいないのが現状だと指摘しています。
このため大倉教授は、ホームドアの設置に時間がかかったり、設置できなかったりする場合は、対策として、視覚障害者が方向感覚を失わないように、ホームの中央にも点字ブロックを設置して安全な動線を示し、この動線上に時刻表などの障害物があれば、別の場所に移すべきだとしています。
さらに、車両のドアの部分だけ間の空いた固定柵をホームに設置することも、事故を防ぐ効果があるとしています。
また、駅員や駅を利用する人に対しては、危ないと感じたら、「後ろに下がって」と方向を指示するのではなく、「止まって」などと危険を回避する具体的な行動を指示することが有効だと話しています。
大倉教授は「視覚障害者自身の注意も大切だが、周囲の人も、危ないと思ったときは遠慮せずに声をかけてほしい」と話しています。