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60年愛した初代クラウン、寄贈 神奈川

磨き上げられた初代クラウン

 1人の所有者が大切に乗り続けてきた1955年製の初代クラウンが、神奈川トヨタ(横浜市神奈川区)に無償で寄贈された。日本のもの作りのすばらしさを伝えるため、学校などから要請があれば貸し出すという。

 車は、2015年に85歳で亡くなった岸敬二さん=川崎市多摩区=が母親の援助を受け、約100万円で購入した。当時の大卒初任給は1万1000円だったという。ナンバーは「5む0100」。部品を確保し、車検もきちんと受けて乗り続けてきた。

 家族からも「ひゃくばん」と呼ばれるなど大切にされたが、岸さんは亡くなる直前に「多くの人に見てもらう」「転売しない」を条件に、当時のカタログなど貴重な資料とともに無償寄贈を決めた。

 神奈川トヨタは、岸さんの遺志を継ぐため、グループ企業で車を修復。また、今年夏のトヨタ「歴代レストアクラウン走破チャレンジ」に参加させることにした。車は大切にされていたため大きな問題はないように見えたが、「60年の歳月」による老朽化は否めなかった。車体をバラバラにしてさびを落としたり、部品を一つずつ修復したりして、完成までに4カ月かかったという。その後、愛知県から東京都渋谷区まで約430キロを無事に完走した。

 贈呈感謝式典で、岸さんの長男泰之さんは「クーラーがなく、夏のドライブはフライパンに乗っているようだった」と笑わせながら、「父が愛したクラウンを大切に使ってもらえれば」と感謝した。【松永東久】

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