家を売るには?高く売る方法、後悔しないための注意点を網羅!
家を売りたい、家を売って新しく家やマンションを購入したいとお思いですか。家を売るならできるだけ高く売りたいというのが、人の心理と言うものです。より高く家を売るためのコツや、家の売却に関連する用語、必要な手数料など知っておくべき知識を網羅しました。ご参考ください。
このページの目次
1.家を売る人の理由として多いものは?
家を売るという希望は同じでも、その理由は人により多岐にわたります。その中でも上位に上がるものをご紹介します。
1-1.住み替えのため
今の家より住環境をより良くしたいという理由がトップです。生活の質を向上させるというプラス方向の理由が堂々の一位であることは、持ち家派にとってうなづけるものではないでしょうか。
1-2.まとまったお金が必要だった
理由はともあれ「お金が必要」というタイミングを迎えたとき、一生の財産である家や土地を手放すことも選択肢の一つとなります。痛切に家をより高く売りたいと願うケースではないでしょうか。
1-3.売り時と感じた
将来を見越していつかは家を売りたいと考えてはいたものの、税制改正や市場ニーズといった要因から、「今のうちに売っておこう」と考えたというのが3位です。
1-4.転勤
会社員にとって避けて通れないもののひとつに転勤があります。その期間が長くなることが見込まれ、なおかつ家族全員で引っ越すことを決めたときは、思い切って売ってしまおうと考えるのも自然なことです。
1-5.家を相続した
既に自分の家を持っている、もしくは賃貸でよいと考えている状況で家を相続したとき、その家を持て余すより売ってしまおう、現金化してきょうだいで分け合おうとするケースです。もしくはきょうだいのうちだれかがその家に住み、持ち家を売るというパターンもあるでしょう。
2.家を売る方法(契約方法)としてはどのような方法がある?
家を売るときには、不動産業者を経由するのが一般的です。不動産業者に依頼すれば買い手を広く捜すことができますし、法的手続きや税金に関してアドバイスもしてくれます。
不動産業者に家の売却を依頼するときには、以下のような契約形態の中から選択しなければなりません。
2-1.専属専任媒介契約
1社の不動産業者に全てを任せる契約方法が「専属専任媒介契約」です。
- 他の不動産業者に重複して依頼することはできない
- 売主が買主を見つけることはできない
- 週に1度、不動産業者から売主へ販売活動に関する報告義務がある
- レインズ(不動産業者間で物件情報を共有するシステム)へ5日以内に登録しなければならない
売り手は1社に依頼しますので、連絡や手続きが煩雑でないところがメリットです。しかしながら、不動産業者は自社で買い手を見つけて売主・買主の両方から手数料を得たい(両手といいます)という心理が働き、レインズへの物件登録前に売り出し価格を安めに設定してしまうことがまれにあります。
2-2.専任媒介契約
1社の不動産業者に任せながら、自分でも買い手を探してよいのが「専任媒介契約」です。
- 他の不動産業者に重複して依頼することはできない
- 売主が自ら買主を見つけることは可能
- 2週間に1度、不動産業者から売主へ販売活動に関する報告義務がある
- レインズへ7日以内に登録しなければならない
この専任媒介契約も1社への依頼ですので、手続きがシンプルです。さらに、自分自身で買ってくれるかもしれない人に声をかけることができますので、もしも心当たりがあるようならばこの専任媒介契約がよいでしょう。
しかし、レインズへ物件情報を登録する義務が7日以内と少々時間があること、売り手への連絡が2週間に1度でよいことで、やはり売り出し価格を安めにしてしまうことがあります。
2-3.一般媒介契約
複数の不動産業者に売却仲介を依頼でき、自分でも買い手を探してよいのが「一般媒介契約」です。
- 複数の不動産業者に依頼することができる
- 売主が自ら買主を見つけることは可能
- 報告義務はない
- レインズへの登録義務はない
売り手としては、複数の不動産業者に依頼をすることは有利に見えますが、営業活動に関する報告義務がなく、レインズへの登録義務も無い一般媒介契約は少々厄介です。複数の会社に、自ら連絡を取らなければならないからです。
不動産業者側から見ても、自社に全てを任せてもらえないという真理的な面から、積極的にはならないでしょう。
とはいえ、売ろうとする家が「駅から近い」「築年数が浅い」「周囲の環境が良い」など魅力的なポイントを備えていれば、不動産業者は一般媒介契約であっても積極的に取り扱おうとします。他社に先を越されたくないからです。
3.住宅ローンが残っている家を売ることは可能?方法は?
より良い環境を得るために住み替えたい、転勤で家を売りたいという場合なら、住宅ローンを返済中ということもあるでしょう。ローンが残っている家を売ることはできるのでしょうか。結論から言えば可能です。
家を売却したお金でローンを全額繰り上げ返済すればよいのです。買い手に引き渡すまでにローンを完済できれば問題はありません。
ローンが残っている家には、「抵当権」がついています。もしも返済ができなくなったとき、金融機関がローン対象の土地や家を処分する権利のことを抵当権といいます。抵当権がついている家を売買すること自体は法に触れることはありませんが、抵当権が付いたままの家を購入してくれる買い手はいません。
住宅ローンの残債と家が売れた金額が同額、もしくは売った利益が大きくなる場合はなんら心配はいりませんが、もしもマイナスになったときは預金を取り崩すなどして完済し、抵当権を抹消しなければ売却できません。
4.家を売った時に受け取れるお金の相場を知るには?
どんな品物にも、その品の価値や買い手の競争により定まる「相場」があります。土地や家も同じです。とても狭い土地や家であっても、駅から近い・人気のエリアといった条件を備えていれば売却金額は高くなります。
新しい家を建てて住み替えるために今の家を売りたい、とお考えの場合、今の家のローンを完済し、次の家のローンを申し込まなければなりません。今の家の相場(売却できそうな金額)がわからなければ、「ローンの完済はできるのか」「次のローンは組めるのか」という心配が生じます。このような場合は以下の方法で調べましょう。
4-1.売れた価格のデータベース「不動産の取引価格情報提供制度」を使う
今すぐ売りたいという訳ではなく「いずれは」ということであれば、「土地総合情報システム・不動産の取引価格情報提供制度(国土交通省)」を利用してみてください。売却しようとしている土地・家の所在地を選べば、近辺で実際に取引された金額を見ることができます。WEB上で一覧することもできますし、必要であればCSV形式でダウンロードすることもできますので、売りたい土地・家の条件に近い物件を探してください。相場をイメージすることができます。
4-2.売り出し中の価格を「不動産ジャパン(レインズ情報)」を使って調べる
もうひとつの方法は、レインズ情報を一部公開している「不動産ジャパン」を活用することです。一戸建て・土地・マンションなどの種別を選び、エリア選択すれば情報を見ることができます。この金額は今現在売却希望価格として示している金額ですので、最終的にその金額で売れるのかは別の問題です。しかしながら、売ろうと考えている土地・家に近い条件の物件を見つけることができれば、相場を思い描くことはできるでしょう。
4-3. 不動産業者の査定を受ける
売却するならいくら位が妥当なのかは、不動産業者に査定を受けることでより細かく知ることができます。土地の金額、そして家の価値は、現地を確認しなければ詳細にはわかりません。大手不動産業者と地元密着型不動産業者の複数社の査定を受けてみてください。眺望が良い・買い物などの利便性が高い・家の状態が良いならば、思ったよりも高い金額を提示してもらえるはずです。
5.家を売る際にかかる手数料全項目
家を売るためには、各種手数料がかかります。最低限必要な費用は以下の通りです(2016年現在)。
6.家を売るときにかかる税金はいくら?
家を売るときには、上記の手数料・諸経費以外に税金がかかります(2016年現在)。
7.最も高く売るためのポイント
上記でご説明したとおり、家の売却にまつわる手数料・諸費用、税金などは思いのほかかかるものです。つまり、家を売って得た金額は「手元に残る金額」ではありませんから、それらをカバーしてもなお、より多くのお金を手元に残すためには、「高く売る」ことが大切です。
7-1. すぐ売りたいなら、一括査定サイトを利用する
既に家を売ることが決まっていて、高く売りたい・不動産業者とのコネクションを探し始めたいという場合は、不動産売却の一括査定サイトを活用しましょう。一括査定サイトには、大手不動産業者から、地元密着型の不動産業者まで幅広い提携会社の登録があります。売りたい家の情報を入力すると、複数の会社から「机上査定額(過去の取引実績から導き出した概ねの査定額)」が提示され、その後実際に家を見てもらうことで「訪問査定額」が示されます。
複数の会社からメールや電話で連絡が入りますので、その点だけ注意が必要です。しかし、これがより高く売るためのコツでもあります。一括査定サイト経由で査定を受けるということは、他にも競争相手がいることを不動産業者に意識させることになります。自社で取り扱いさせてもらえるようより高い金額を提示しようとするでしょうし、より丁寧なアドバイスをしようと努力します。なぜその価格を提示したのか聞いてみましょう。取り扱いしたいがために根拠の無い高値を示していないかを見抜くことも大切です。
7-2.家を美しく見せる工夫をする
査定前・購入希望者内覧前に、できる範囲内で生活感を消す工夫をしましょう。購入希望者が「手を入れなくてもこのまま住める」と感じることができれば、値下げ交渉されることも少ないはずです。また、売却までの期間も短くすることもできるはずです。
特に注意すべき点は「におい」「水周りの汚れ」です。特に一番に足を踏み入れる玄関のにおいには注意をしましょう。設備の老朽化を感じさせないようバスルームやキッチン周りの汚れもきれいにしておきましょう。庭からの眺めが自慢であれば、庭の手入れも大切です。
7-3.不動産業者や担当者の意気込みをチェックする
高く売ることが一番の願いであっても、今現在の木造一般住宅は20年で「価値ゼロ」とされることが一般的です。しかしながら、その家の良い点を積極的に見つけてくれる担当者を見つけることができれば、少しでも高く売ることはできます。家は「購入者の考え方ひとつ」で魅力的になったり、不人気になったりもしますので、売り込むターゲットを上手に絞り込める担当者を探しましょう。
もしも「売りづらい物件」と言われたのであれば、何が悪いのか、どうすれば売れるのかを包み隠さず説明してもらいましょう。その中に、前向きな発言やアドバイスがあるかどうかに気を配ってください。仮に土地だけでも数百万円から数千万円の大きなお金が動く不動産売却ですから、担当者の積極性をきびしくチェックするつもりでいていただきたいと思います。
「高い金額で売れば、その分不動産業者の仲介手数料も上がる」ことを忘れないでください。不動産業者も「売る方法」を工夫できてはじめて、大きな商いができるのです。共に協力しあえる不動産業者・担当者を探してください。
8.売ったあとに後悔しないために知っておきたい注意点4
家といえば「大きな財産」です。土地の価値を低く見積もられたくないという心理だけでなく、住まいへの愛着もあるはずです。家の売却にまつわる後悔は極力避けたいものですが、どのような点に注意をすればよいのかをご説明します。
8-1.後のトラブルで「赤字」となることを避ける
売る側も家の欠点を隠さず、正直に売却に臨むことが必要です。後に欠点が発覚し何らかの保障をしなければならなくなり、最終的に「赤字になった」といった事態を避けるためにも、担当者と二人三脚で家を売らなければなりません。
瑕疵(欠陥)を隠して売ったことから後に裁判・損害金の支払いによって大打撃を蒙ることも考えられます。気になる点があればきちんと不動産業者へ伝えておくことをおすすめします。そのマイナス点をどうカバーするかのアドバイスをしてくれるはずですし、ときには建物を壊し更地で売るほうが売りやすいなど、売却に向けて前向きな指摘をしてもらうことができます。
8-2.「家を探している人がいます」というチラシを鵜呑みにしない
ポストに「家を購入したいと探している人がいます」というチラシが入っていることがあります。これをそのまま鵜呑みにしないでください。それは購入者を多く募るため「売り物」を探しているだけかもしれないからです。大事な土地や家を、不動産業者の商売のためにもてあそばれないようにしましょう。
もちろん、本当に希望者がいることもあります。「ちょうど売り時」と考えているのであれば、購入希望者に内覧を勧めてみて欲しいと伝えてください。話が進まないようであれば、それは単に取り扱い物件数を増やすための行動であると判断できます。
8-3.売却までの「ストーリー」を複数考えておく
家の売却を完了するまでの期間はどのくらいか、どのくらいまでなら値引きに応じてもよいかなど、考えうる条件を複数組み合わせてストーリーを組み立ててください。
いわゆる「相場」と思われる金額で売りに出してすぐに、とんとんと話が進まないことも考えられます。いつまでもネットの物件情報に掲載され、値引きを繰り返すことで、家を買いたいと考えている人に「この物件は訳あり」と印象付けてしまうことはよくありません。
そのような悪循環を避けるために、多少の値引き交渉ならば応じ、短い期間で売ってしまうことが望ましいでしょう。特に転勤に伴う売却など、売却期間がタイトなケースは、不動産業者の選定・室内のクリーニング・値引き交渉への心構えを短い期間で実行しなければなりません。
8-4.相続した家を売る場合は関係者への根回しをスピーディに
自分の持ち物を売ることには何も問題は起こりませんが、相続した家を売るとなるときょうだいや親戚が関係してくることも少なくありません。それをきっかけに関係が悪化することも少なくない「実家の売却」には、事前の打ち合わせに手間取ることもあります。
亡くなった方に申し訳ない、葬儀の対応で忙しいなど、様々な理由で後回しにしてしまいそのまま家を放置すれば、その間に相続の関係者が増えたりし、売却への道のりが困難になることも考えられます。できるだけシンプルに家の売却を進めたいのであれば、相続した直後に話し合いをもつことが重要です。
売却して得たお金を分配する段階でもめないためにも、早々に話し合いを始めてください。
まとめ
マンションや家を売るという行為は、一生のうちに何度も経験するものではありません。しかしながら、事前に不動産売買の流れやコツを知っていれば、大きな失敗を避けることができます。
- より良い家に住みたいという前向きな理由で家を売る人が最も多い
- 不動産業者との契約方法は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、住宅ローン返済中でも家を売ることができる
- インターネットを使って、相場感覚を知ることができる
- 家の売却には手数料や税金が思いのほかかかるので、より高く売る方法を探す
- 一括査定サイトなどを用いて複数の不動産業者の査定を受け、家をきれいに見せる工夫をして「仲介したい家」にする
- 売却完了までに行うべきことをリストアップしたり、不動産業者を厳選したりすることで「買い叩き」を防止する
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