「フリー素材モデル」になぜなろうと思ったの? 本人たちに聞いてみた
2016/10/12 19:01 ネタりかコンテンツ部
「インターネットやテレビで使われる写真で、顔だけよく見かけるけど、あれって誰?」と思う人、いませんか?
名前が出てくるわけでもない。でも、とにかくよく見かける……。
あなたがよく見かけるその人は、「フリー素材モデル」なのかもしれません。
「フリー素材モデル」とは、主にネットニュースなどで使われるフリーの写真素材のモデルとして活躍する方々のこと。写真が素材として無料配布されているため利用しやすく、いまは実に多くの場所・場面でその姿を見かけます。
ファッション誌のモデルなどに比べると、かなり幅広いシチュエーションで写真を撮られるため、どうしてもユニークでニッチな設定のカットが多くなるという特徴がありますが……。
そもそも彼らは、なぜフリー素材モデルになろうと思ったのでしょうか。
今回は数多いフリー素材モデルの中でも、特に活躍している男性モデル3名に「フリー素材モデルになろうと思った理由」を聞いてみました。
日本一のフリー素材モデル、大川竜弥さん
まず始めにお話を伺ったのは、「自称、日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデル」こと、大川竜弥さん。
2012年にフリー素材モデルデビューを果たして以降は、数多くのメディアに露出。テレビ番組でも取り上げられるなど、“時の人”にもなりました。
そんな大川さんですが、どうしてフリー素材モデルになったのでしょうか。
――どうしてフリー素材モデルになったんですか?
大川さん(以下、大川):2011年当時の僕は「これからは個人かつインターネットの時代だ」と考えていました。そのうえで、「自分が表に出る仕事がしたいな」と考え、フリー素材モデルになることに決めました。
――でも、「自分が表に出る仕事」って、他にもたくさんありますよね?
大川:はい。ただ、俳優も歌手もモデルもハードルが高いじゃないですか。フリー素材モデルなら、カッコよくなくても、歌がうまくなくてもいい。だから「フリー素材モデルなら自分にもできるかもしれない」と思ったんですよね。 それで2011年末にフリー写真素材サイト「PAKUTASO」のモデル募集フォームに直接連絡をして、翌年3月にフリー素材モデルとしてデビューしました。
――当時から、大川さんのようにフリー素材モデルになる方はたくさんいたのでしょうか?
大川:いえ、当時はまだフリー素材モデル黎明期で、そういうのは「趣味」や「タレント・役者の卵がやるもの」という感じだったんですよね。 「フリー素材モデルやってます!」と言う人が少ないからこそ、僕でも有名になれるんじゃないか、という考えもあったと思います。
今でこそ有名人になった大川さんですが、当時はごくごく一般の方。フリー素材モデルの「ハードルの低さ」と、まだそれほど認知のない段階で自ら手を挙げて飛び込んだ「勇気」に、成功の秘訣があるのではないかと感じました。
不倫の写真素材で人気、ゆうせいさん
不倫がテーマのフリー素材写真に、モデルとして多数出演しているゆうせいさん。何かと「不倫」がニュースになることが多い昨今、テレビ番組などでもこの写真を見かけたことがある人は多いのでは。
俳優顔負けの演技力を発揮する彼が、フリー素材モデルになったきっかけは一体なんだったのでしょうか。
――どうしてフリー素材モデルになったんですか?
ゆうせいさん(以下、ゆうせい):実は、所属していた会社のPRのためだったんです。
――会社のPR、ですか?
ゆうせい:はい。当時所属していた会社は、業績は良いのに業界内で認知度が低くて。僕は広報だったので、会社の認知度を上げる方法として、僕自身がフリー素材モデルになるのがいいのでは、と思いついたんです。 それから知人を通じて、フリー写真素材サイト「PAKUTASO」の管理人・すしぱくさんに連絡をしました。ただ、最初のお仕事のテーマが「不倫」だったので、少し躊躇はしましたけどね(笑)。
――それでも「やってみよう」と思ったのはどうしてですか?
ゆうせい:やっぱり、フリー素材モデルに可能性を感じていたからでしょうね。リスクがあることについても考えましたが、期待と好奇心が先に立ったんだと思います。自分の顔が広まるにつれ、会社の認知度アップにも貢献できたので、結果的に出てよかったと思っています。
会社の広告塔として、自分の顔を売り出すというアイデアは斬新ですよね。“勝ち”に導いたのは、ゆうせいさんの「先見の銘」と、そのアイデアに社運を託した会社の「寛容さ」と言えそうです。
Max_Ezakiさん
外国人モデルのフリー写真素材は、数は多いもののシチュエーションがきれいなものばかりで、用途が限られてしまいがちでした。
Max_Ezakiさんは、現役ドイツ人ハーフというルックスを武器に、「PAKUTASO」の中でも独自の立ち位置を確保しています。
現在はフリー素材モデルとして活躍する一方で、エンジニアとして働いているMax_Ezakiさんの前職は、なんと教師! そんな彼はなぜフリー素材モデルになろうと思ったのでしょうか。
――どうしてフリー素材モデルになろうと思ったんですか?
Max_Ezakiさん(以下、Max):当時、好きなブロガーのOZPAさんが「〜無料写真素材界に革命を〜 無料写真素材サイト「PAKUTASO(ぱくたそ)」さんにてモデルデビューしました」という記事をブログに書いていました。その中で、女性にピンヒールで踏まれる写真が紹介されていたんですよね。それを見て「僕もやってみたい!」と思ったのがきっかけです。
―― ……踏まれたかったんですか?
Max いえ(笑)。端的に言うと、それまでの「モデルはかっこよくなければいけない」という概念が覆されたんです。フリー素材モデルが出ている写真って「どんな場面で使うの?」と思うものもあるじゃないですか。それが面白いと思って、僕もやってみたいなって。
――なるほど。そこから、どうやってフリー素材モデルになったんですか?
Max ブロガー向けのイベントなどで、フリー写真素材サイト「PAKUTASO」を運営しているすしぱくさんの知人を見つけるたびに、「僕もフリー素材モデルになりたいんだ!」と言って回りました。そして最終的に、すしぱくさんに直接意志を伝えて、OKしてもらいました。
余談ですが、一時期はファッションモデルも務めていたというMax_Ezakiさん。そんな彼がフリー素材モデルとして活躍しているのがユニークだなと感じました。
ハイヒールで踏まれる構図など滅多にない体験ができることも、フリー素材モデルになりたいと思わせる理由の1つなのかもしれません。
「フリー素材モデルになったきっかけは“好奇心”だった」
以上、売れっ子フリー素材モデル3名に「フリー素材モデルになった理由」を聞いてみましたが、皆さん「面白そうと思ったから」という”好奇心”は共通しているようでした。
ファッションモデルのような容姿やスタイルの良さを求められないため、「誰でもなれる」ように思われがちですが、実際はその人自身がもつ魅力的な個性や、モデルとして演じるキャラクターへの熱い気持ちがないとデビューは難しいものです。
好奇心を持って自ら手を挙げる行動力と、個性を兼ね備えた人だけが、最前線で活躍できる「フリー素材モデル」になれるんですね。
取材・文 佐々木ののか/編集 プレスラボ
投稿ありがとうございます。
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