Discogsスタッフの東京レコードショップ訪問
by Weetzie
(*Discogsのアメリカ人スタッフによる投稿を翻訳しています)
音楽ファンたちの天国、東京
東京は地球上でもっともユニークなレコード・ショッピングを楽しめる場所の一つと言えるでしょう。隣接して建ち並ぶ大手音楽チェーン店やそれぞれ特色を持つ個々のレコードショップに立ち寄れば、優に数日が過ぎてしまいます。
音楽関連のアドベンチャーはこの街のいたる所で体験できます。レコード・カフェやレコード・バー、すばらしいクラブやコンサート会場、楽器店が軒並み続く通り(お茶の水楽器店街)など、たくさんの魅力あるスポットがレコード・コレクターを音楽天国・東京に惹きつけてやみません。
東京滞在中にこの街の全てのレコードショップを訪問した、と言えれば良いのですが、実際はそのほんの一部に触れることができただけです。限られた時間のなかで、15のレコードショップを訪れ、数人の日本のDiscogsユーザーとお話しをして、毎晩レコード・バーでその日の終わりを迎えました。
そうそう、レコード・バーといえば、東京にはいくつもの素敵なレコード・バーがありました!すばらしいレコード・コレクションと魅力的なDJに囲まれてちょっと一杯。こんな最高な夜の過ごし方ってあるでしょうか。
(Discogs本社のあるアメリカ・オレゴン州ポートランドにも、こんな場所があったらいいのに!)
その他に、レコードショップとカフェが一体となった素敵なお店も発見しました。そこではお客さんがテーブルでコーヒーをすすったり、棚のレコードを手にとって眺めている側で、DJがレコードを流していました。
今後少しずつ、この東京訪問時のエピソードを写真を交えて紹介し、素敵なレコードショップでのオーナーさんへのインタビューを掲載します。今回のところは、いくつかのスナップ・ショットとエピソードの断片を披露して、この度の東京訪問時の全体的な印象について綴っていこうと思います。
東京にあるほとんどのレコードショップには無料の「Tokyo Music Map」やその他の音楽ガイドが設置されているので、これらを手にショップ巡りの計画を練ることができます。しかし、これらのほとんどの情報は日本語で書かれているうえにオンラインではアクセスできないため、わかりにくいレコードショップの位置情報を特定したり、事前にショップ巡りの計画を立てるのにはVinylHubが本当に役立ちました。日本到着後、安価なSIMカードを購入して、スマートフォンからGoogle Maps、メール、VinylHubとDiscogs Appにアクセスできるようにしておいたのです。
VinylHubで表示される東京のレコードショップ
多くのレコードショップは都内のいくつかのエリアに隣接して並んでいるので、あるお店の片隅からレコード探しを始めて、一日をかけて少しずつ近隣のショップへ足を進めていくことができます。
ショップ巡りの際には、お店を見落とさないように注意してくださいね。というのも、多くの素晴らしいお店は建物の2階以上に位置しているからです。例えば、私のお気に入りの渋谷の一角を写した写真をご覧ください。
HMV record shopのある井の頭通りからFace Recordsにぶつかる坂道を上ると、レコードショップだらけのビルが目に入ります。Next Records、Mothers Record、Nerds Record Store、Disc Jam DJ Gear、これらのお店は全て2階以上に位置しています。
ほとんどのレコードショップはある特定のジャンルの音楽にフォーカスした品揃えをしていて、店舗は申し分なく清潔で、商品の陳列の仕方もよく考えられています。そのためか、いくつかのお店からはショップというよりもレコード・ミュージアムのような印象さえ受けました。
新譜を取り扱う店舗の多くでは、それぞれの商品にそのお店のスタッフによる手書きまたは印字された説明やコメントが添えられていました。また、同じく多くの中古レコードショップでも、各レコードに商品状態やその他の説明が付けられていました。
最新のトレンドが目まぐるしいスピードで色を添える東京の一地区である渋谷は、音楽との結びつきが非常に強く、その街のいたるところで音楽のリリース情報やコンサート広告を目にします。ビルの広告スペースやカフェのウィンドウ、街を埋め尽くす建物壁面の巨大スクリーンで音楽やミュージックビデオが流されています。移動式広告であるトラックが大音量でJ-Popを宣伝するのを目にするのも、めずらしいことではありません。
東京には、廉価で希少なレコードを求める長年のコレクターから、流行りのJ-PopやK-PopのCDをチェックしたい若年層まで、すべての音楽ファンのためのお店が揃っています。
東京のレコードショップのなかには、レコードショップというよりもオーディオ・ギャラリーと言った方が良さそうな非常に美しくデザインされたものがある一方で、埃まみれになりながら「dollar bin」(アメリカなどで販売価格1ドルのレコードが集められた箱のこと。日本では「100 yen bin」でしょうか?)からのレコード発掘を楽しめるお店もまだまだ存在します。
下北沢のFlash Disc Ranchでは、なんと「10 yen bin」(「10円箱」!?)にまで遭遇してしまいましたよ!
東京にはまた、Tower Records、Disk Union、HMV、そしてRECOfanなど、音楽に囲まれて何時間でも過ごせるような大手CD/レコード・ショップも存在します。
でも、もっとこじんまりとした、特色のあるショップがお好みだったら、東京ならどんなジャンル、スタイルにフォーカスしたお店でも探し出すことができます。地価が高いこともあり(都内中心部は世界中で最も人口密度の高い都市エリアです)、これらのお店はしばしばとても小さいので、何人かで訪れてしまうと身動きが取れないように感じることもあるかもしれません。
東京は、レコードコレクターにとって魅力いっぱいの街です。私のショップ訪問リストはあっという間に長大になってしまいました。
そして、それら全てを回りきることは・・・できませんでした。(涙)
それでも、お店でレコードを探し、スタッフやお客さんと会話を楽しむことができました。結果として、各ショップでレコードを発掘したり、他のレコード・オタクの皆さんとおしゃべりできたことが今回の東京訪問時のとても良い思い出になっています。
以下は今回私が訪問したショップリストです。今後少しずつお気に入りのお店を紹介していきます。楽しみにしていてくださいね。
ショップリスト<渋谷>:
- Face Records
- 1993年より主にRock、Jazz、Funk、Soulミュージックを扱う。最近はWamono(日本の歌謡曲)も人気。
- Dessinee Shop
- 2002年に神戸で設立され、現在は渋谷にてレコード、CD、アパレル商品を扱う。ヨーロッパ、日本、アメリカ、南米の音楽が多く、主な音楽ジャンルはSoul、Jazz、Indie Rock/Pop、Funk、Soundtracks、Library musicなど。
- Manhattan Records
- Hip Hop、R&B、Houseミュージックにフォーカスしており、新譜、中古レコードに加え、新作CDも豊富な品揃え。
- Lighthouse Records
- もともとDJだったオーナーが始めたお店。世界中の最新レコードが幅広く取り揃えられている。Deep house、Soul、Funk、Disco、Technoに主にフォーカス。
- Guhroovy Records
- 日本とその他の国々のハードコア・テクノCDとレコードを取り扱う。アパレル商品の取り扱いも。
- Next Records
- 希少な12インチシングルを取り揃える。ジャンルは主にDisco、Dance、Hip Hopなど。
ショップリスト<下北沢>:
- Best Sound Records
- 1995年に東京に設立され、絶版レコードを取り扱うお店。ジャンルはRock、Soul、Blues、Jazz & Vocalほか。
- Flash Disc Ranch Used Records
- 1982年より中古レコードを扱うお店。音楽関係書籍、オリジナル商品(レコード洗浄液、CDソフトケース等)も取り揃える。ジャンルはRock、Soul、Jazz、Latin、Reggae、Hip-Hop、Oldies、Moodほか。 ショップ壁面と外装には、アーティストHideyuki Katsumata氏による圧倒的なペインティングが施されている。
- City County City
- 居心地がよくユニークなヴィンテージレコードショップ+カフェ・バー。Dance musicを中心に、Vintage soul、R&B、Old-skool、funk、Classic rock and rollまでを取り揃える。コーヒーや紅茶などのソフトドリンクに加え、ビール、ワイン、カクテルなども味わえる。パスタやパイもご一緒にどうぞ!
- General Record Store
- 渋谷のFace Recordsが新たに下北沢にオープンしたレコードショップ。この店舗では主にRockとModern jazzレコードが扱われている。
- Noah Lewis’ Record
- Jazz、Blues、Country、Rockabilly、Ethnic、日本歌謡などの33 / 45 / 78 rpmレコードを扱う。東欧民謡がお好きな方にもおすすめ。
さて、次はどこへ行こうかな?