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オープニングナレーション
イゼルローンとハイネセンのちょうど中間に位置する惑星シャンプール。
クーデター勢力に占拠されたここを放置することは、後方を撹乱され、
イゼルローンとの連絡補給を断たれる危険性を残すことになる。
それを考慮したヤンはシェーンコップに制圧を命じた。
シェーンコップの電撃作戦により、シャンプールはわずか3日で陥落した。
第21話のあらすじ
ヤンは順調に反乱を起こした惑星を制圧していた。
対する救国軍事会議(同盟軍クーデター派)は、
ルグランジュが率いる第11艦隊を差し向ける。
両者はドーリア星域で相対するが、
同じ頃、情報局部員のバグダッシュがヤン暗殺のために、
第13艦隊に紛れこんでいた。
シェーンコップは機転を利かせて、
バグダッシュを戦いが終わるまでカプセルベッドで眠らせた。
ヤンの鮮やかな策が決まり、
またアッテンボローやポプラン達の活躍もあって、
ドーリア星域会戦は第13艦隊が勝利する。
だが、ルグランジュはヤンに通信で挨拶をすると、
その目の前でピストル自殺を遂げた。
結果として、救国軍事会議の機動部隊は壊滅することとなった。
これを知ったバグダッシュはクーデターの失敗を予感し、
ヤンに投降することを申し出る。
ヤンは彼に「私が勝ち続ける限り、バグダッシュは裏切らない」と言った。
そんななか。
平和集会をハイネセンスタジアムで開き、
賛同する市民が続々と押し寄せていた。
これに危機感を覚えた救国軍事会議の首脳部は、
クリスチアンを派遣してことを収拾させようとする。
議長のD・グリーンヒルは穏便に済ませようとするが、
予想もしない事態に発展してしまい、
同盟市民とヤンにとって、最悪の悲劇となってしまうのだった-。
第21話の台詞
クリスチアン「ジェシカ・エドワーズを探して来い」
ジェシカ「その必要はないわ。私はここにいます。
私たちは平和的な市民集会を開いているだけです。
それを何故あなた方は武器を持って邪魔をするのですか?」
クリスチアン「秩序を回復するためだ」
ジェシカ「秩序ですって?暴力によって秩序を乱したのは、
元々あなた方、救国軍事会議の人たちではありませんか。
いったい秩序とは何を指しておっしゃるのですか?」
クリスチアン「秩序の何たるかは我々が決定する。
衆愚政治と化した同盟の社会を我々が正常化する。
そのために必要なものが秩序なんだ」
ジェシカ「傲慢な思いあがりだわ」
(中略)
クリスチアン「高邁な理想を抱く市民諸君。
平和的な言論は暴力に勝るというのが君らの主張だそうだが、
間違いないかね?」
ハイネセンの市民「・・・許してくれ。私には妻子がいるんだ」
クリスチアン「ははは、死ぬ覚悟もないのに、でかい口叩きやがって!
さあ、言ってみろ!平和は軍事力によって保たれる。
武器なき平和などありえないとな!」
ジェシカ「およしなさい!」
クリスチアン「何?」
ジェシカ「死ぬ覚悟があれば、
どんなひどいことをやってもいいというの?
信念さえあれば、どんな愚かなことも、どんなひどいこともやっていいというの?
暴力によって、自ら信じる正義を他人に強制する人間はあとを絶たないわ!
銀河帝国を作ったルドルフも、そして大佐、あなたも!
あなたはルドルフの同類よ。それを自覚しなさい。
そして、いる資格のない場所から出ておいき!」
妙香の感想
銀河英雄伝説の長い物語の中で、
私の好きな人物がはじめて亡くなった回です。
ジェシカ・エドワーズは数少ない女性人物ですし、
反戦政治家として筋の通ったところが素敵なんですよ。
もともと彼女はヤンの士官学校時代からの知己で、
ひそかに憧れていた人なんですが、
彼の親友のジャン・ロベール・ラップもジェシカが好きだったので、
友達思いのヤンは潔く身を引いたんです。
でも、ラップはアスターテ会戦で亡くなってしまい、
ジェシカはその合同慰霊祭のときに、
国防委員長のトリューニヒトに意見したことがキッカケで、
政治家としての道を歩みはじめました。
美人で賢いですし、志をしっかり持った女性なので、
ヤンのパートナーとしては相応しいと思いましたね。
劇中に死亡フラグもなかったですし、
これから活躍して同盟の政治を変えてゆくんだろうと思っていたので、
突然の死は本当にショックでした。
しかも軍人に撲殺されるとは、あまりにも可哀想です。
彼女の言った台詞が非常にきつかったので、
クリスチアンが切れてしまったんですが、本当に卑劣な行いです。
見ていてすごく腹が立ちました。
市民たちは暴動を起こすのはあたりまえですよ。
自分達の大切な指導者を理不尽な理由で殺されたんですから。
そして「救国軍事会議」とは、
自由惑星同盟の政治を刷新する組織ではなかったということです。
もっとも軍事政権で市民が幸せになったという例は、
あまり聞いたことがないんですけどね。
バグダッシュがヤンの刺客で送り込まれたので冷や冷やしましたが、
あえて殺さずに手許におくというのもすごいと思いました。
情報部にいた人物なので戦略的に利用できると考えたんでしょうが、
同胞をできるだけ殺したくないという意思の表れでもあるんです。
ヤン・ウェンリーは本当に器が大きい人物ですよ。
次回はまた帝国の話になりますが、
キルヒアイスがリッテンハイム侯と戦い、華々しい戦果をあげます。
その後ことを知る人にとっては、
ちょっと切ない気持ちになるかも知れません。