首相 働き方改革実現に向け具体策検討を指示
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安倍総理大臣は、働き方改革の実現に向けた有識者会議の初会合で、同一労働同一賃金を含めた非正規雇用の処遇改善や、長時間労働を是正するための具体策の検討を進めるよう指示しました。会議では今後、改革に必要な法整備なども含めて議論を進め、実行スケジュールなどを盛り込んだ計画を年度内に策定することにしています。
総理大臣官邸で開かれた「働き方改革実現会議」の初会合には、議長を務める安倍総理大臣や、加藤働き方改革担当大臣などの関係閣僚のほか、経団連の榊原会長、日本商工会議所の三村会頭、連合の神津会長、それに俳優の生稲晃子さんなど、15人の民間議員が出席しました。
この中で安倍総理大臣は、「働き方改革は、第3の矢、構造改革の柱となる改革だ。大切なのはスピードと実行だ。もはや先送りは許されず、必ずやり遂げるという強い意志を持って取り組む。働き方改革に必要な法律や政策が何か。今年度内に具体的な実行計画をとりまとめたうえでスピード感を持って国会に関連法案を提出する」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、賃上げと労働生産性の向上、長時間労働の是正、転職や再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題、テレワークや副業・兼業といった柔軟な働き方、高齢者の就業促進、外国人材の受け入れなどの課題を例示し、これらを克服するための具体策の検討を進めるよう指示しました。
有識者会議では、改革に必要な法整備なども含めて議論を進め、具体的な実行スケジュールなどを盛り込んだ「働き方改革実行計画」を年度内に策定することにしています。
この中で安倍総理大臣は、「働き方改革は、第3の矢、構造改革の柱となる改革だ。大切なのはスピードと実行だ。もはや先送りは許されず、必ずやり遂げるという強い意志を持って取り組む。働き方改革に必要な法律や政策が何か。今年度内に具体的な実行計画をとりまとめたうえでスピード感を持って国会に関連法案を提出する」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、賃上げと労働生産性の向上、長時間労働の是正、転職や再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題、テレワークや副業・兼業といった柔軟な働き方、高齢者の就業促進、外国人材の受け入れなどの課題を例示し、これらを克服するための具体策の検討を進めるよう指示しました。
有識者会議では、改革に必要な法整備なども含めて議論を進め、具体的な実行スケジュールなどを盛り込んだ「働き方改革実行計画」を年度内に策定することにしています。
経団連会長「長時間労働の風土変えるチャンス」
経団連の榊原会長は記者団に対し、「安倍総理大臣は、一億総活躍社会の実現に向けて、働き方改革は最大のチャレンジだとして強い改革への決意を述べた。これに対し、経済界からも『各社の経営トップみずから働き方改革を進めようと、これまでになく機運が高まっている。法改正も含めて制度化し、長時間労働の職場風土を変える重要なチャンスであり、最大限協力して実現させたい』と申し上げた」と述べました。
日商会頭「バランスが大事」
日本商工会議所の三村会頭は記者団に対して、「大胆な改革としっかりと現実を踏まえた改革の2つのバランスをとることが非常に大事だ。長時間労働は、その原因をつぶすことを考えないと絵に描いた餅になるので、よく実態を調べて提案していきたい」と述べました。
一方で、残業の規制については、「長時間労働を抑制するためにどういう仕組みが必要かという議論には喜んで参加するが、一律に機械的に残業の上限を決めることには賛成できない」と述べました。
一方で、残業の規制については、「長時間労働を抑制するためにどういう仕組みが必要かという議論には喜んで参加するが、一律に機械的に残業の上限を決めることには賛成できない」と述べました。
連合会長「長時間労働の是正 合意得たい」
連合の神津会長は記者団に対し、「長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現だけでなく、賃金をどう引き上げて、格差を無くし、底上げを図っていくかは極めて大きなテーマであり、コンセンサスに結びつけていきたい。限られた時間帯の中で全部実現することは至難の技だが、散漫にならないよう、何が本当に必要なのかを見極めていきたい」と述べました。
生稲晃子さん「大病後も働ける社会を」
俳優の生稲晃子さんは記者団に対し、「自分が経験した乳がんや5年間闘病しながら仕事をしてきた経験を話すことで、何か役に立てるのではないかと思い参加した。キャリアを失うことを恐れて、黙って仕事と治療を続けている人たちがいる。がんに限らず、大病を患った方たちが幸せに仕事ができる社会をぜひ安倍総理大臣の下で実現していきたい」と述べました。
「働く人の実態把握したうえで議論を」
「全国過労死を考える家族の会」の代表の寺西笑子さんは、働き方改革実現会議について、「今回、長時間労働の抑制に向けて国が議論を始めることには期待している」と話します。
寺西さんは、平成8年、当時49歳だった夫の彰さんを過労による自殺で亡くしました。寺西さんは「若い世代から中高年まで多くの人が厳しい労働環境のなか過労で苦しんでいるのが現状だ。安心で安全な働き方が担保されてはじめて多様な働き方ができると思うので、まずは働く人の実態を把握したうえできちんと議論してほしい」と話していました。
寺西さんは、平成8年、当時49歳だった夫の彰さんを過労による自殺で亡くしました。寺西さんは「若い世代から中高年まで多くの人が厳しい労働環境のなか過労で苦しんでいるのが現状だ。安心で安全な働き方が担保されてはじめて多様な働き方ができると思うので、まずは働く人の実態を把握したうえできちんと議論してほしい」と話していました。
厚労省 すでに議論始める
厚生労働省は、働き方改革実現会議で議論される長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現などに向けて、すでに検討を始めています。
このうち長時間労働の是正については、労使の合意があれば上限なく時間外労働が認められる、いわゆる「36協定」の在り方を見直すための検討会が設けられ、今月から議論が始まっています。今後の議論では、認められる時間外労働に上限を設けるかどうかや運輸業など規制の難しい仕事に対する「適用除外」をどこまで認めるかなどが焦点となる見通しです。
また、同一労働同一賃金をめぐっては、非正規労働者の待遇を改善するため正社員との間で賃金などに差をつける場合の基準を示すガイドラインの作成に向けて検討会で議論が行われています。
いずれの検討会でも議論が具体的にまとまれば働き方改革実現会議に報告することになっています。
このうち長時間労働の是正については、労使の合意があれば上限なく時間外労働が認められる、いわゆる「36協定」の在り方を見直すための検討会が設けられ、今月から議論が始まっています。今後の議論では、認められる時間外労働に上限を設けるかどうかや運輸業など規制の難しい仕事に対する「適用除外」をどこまで認めるかなどが焦点となる見通しです。
また、同一労働同一賃金をめぐっては、非正規労働者の待遇を改善するため正社員との間で賃金などに差をつける場合の基準を示すガイドラインの作成に向けて検討会で議論が行われています。
いずれの検討会でも議論が具体的にまとまれば働き方改革実現会議に報告することになっています。