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中国、象牙も「爆買い」 合法市場・日本からの密輸横行…EIA報告書「習近平主席の専用機でアフリカから密輸した」
国際間の取引が原則禁止されている象牙をめぐり、合法的な市場を持つ日本から、世界の象牙需要の7割を占めているとされる中国への密輸が相次いでいる。中国人バイヤーが日本で象牙を「爆買い」しているのが背景にあるとみられる。ゾウ乱獲につながるとして国際的な批判が高まる中、中国政府は昨年9月、国内での取引禁止を表明。水際での摘発にも力を入れているが、日本側の出国時の検査も甘く歯止めになっていない。(大森貴弘)
買い付け続々
「象牙というのは今、中国に流れるんです。完全に需要先は中国。中国人がいなくなったらもうない」「(中国人は)ぎりぎりまで値段付けさせてもらえるんで、古美術屋さんよりは(買い取り額が)いい」
国際環境保護団体「環境調査エージェンシー」(EIA、本部・ロンドン)が昨年、日本国内で象牙を扱う業者を潜入調査した際、業者から聞き取った内容だ。調査員は中国人バイヤーや、祖父の遺品を売りたい日本人などを演じて接触。その結果、多くの日本の業者が中国向けに売却している実態が分かった。